初めて読んだときの衝撃たるや・・・
しばらくほかの本を読めなかった。
ほかに移る前に連続で4回読み返したかな。
それくらい繰り返し読んで消化しないといけなかった。
重松作品にはそれまで
「いろんな困難はあるけれど、最後はあたたかいんだよね」みたいなイメージを
もっていたので・・・こんなに残酷なことができる人なのか!と怖くなった。
でも、まったく救いがない中でも、
たしかに重松作品だなと思うフレーズがたくさんあって、
かなり影響受けたと思う。
二人称で語られているのも、めちゃめちゃ合うんだよな。
「おまえ」って言われると自分に言われているような気になるというか、
自分も苦しくなってきて本当にしんどい。
大人に振り回されてしまうシュウジ。
「幸せになるために人は生まれ、生きていくというのなら――
その「幸せ」の形を見せてくれ。ここを目指せばいいんだ、と教えてくれ」
まだ子どもなのに。。。やるせない。
子どもだからやっぱり限界はあるし、逃げても逃げても檻の中で、
それを上から見ているかのような語り手が「おまえ」って語り続ける。
すごく残酷。
ずっと息苦しくて、
読んでいる間はまさに「疾走」しているかのような感覚だった。
(こんなに秀逸なタイトル・・・)
最初怖いなと思っていた表紙も、
読み終えるころにはいとおしく(?)思えてきてしまうくらいに。
はぁ、しんどかったな。
「わたしはエリのために祈ります。シュウジのために祈ります。
災いや不幸せをとりのぞくためではなく、二人が、
災いや不幸せを背負ったままでも前に進めるように。
いや、前に進む必要すらないかもしれない。
立ち止まっていても、うずくまっても、
体を起こす気力すらなく寝そべっていたってかまわない。
ただ、絶望しないでほしい。
わたしが祈るのは、ただそれだけなのです。」
- 感想投稿日 : 2022年2月20日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2022年2月6日
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