禁色 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1964年5月4日発売)
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本棚登録 : 2211
感想 : 185
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作家はほんとうに自分を削って作品を書いているんだな、と。

疑わしい目とか不幸に満ちた目とか。
わかる、それ綺麗だよね。

悠一が肩噛まれて血が出て・・・っていうのがすごく綺麗で好き(変態だ・・・!)
「一条の血が若者の白い胸に伝わった」
「つまり彼がその怖るべき膂力で悠一を征服したとき、悠一の肉体的な非力が、その瞬間の相手の精神的な非力を正当化したのだ、とでも云いたげだったからである」

三島作品の美青年が好きなんだよなあ
こんなに色っぽく文章って書けるものなのか!って毎回のことだけど感動する。


「「僕はなりたいんです。現実の存在になりたいんです」
俊輔は耳をすました。それは彼の芸術作品がはじめてあげた嘆きの声を聴くように思われた。悠一は暗鬱に言い添えた。
「僕は秘密に疲れたんです」」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月27日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年2月27日

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