少し前に読んだアンソロジー、『明日町こんぺいとう商店街』のなかで印象に残った作品、「あずかりやさん」を舞台にした連作短編集。
盲目の青年が店主の「あずかりやさん」は、一日100円でお客さんのものを大切にあずかってくれる店。
約束の日に受け取りに来なければ、そのものは店主が引き取る決まり。
さて、今日持ち込まれるものは…
店主の口から語られるのではなく、店ののれんや猫が語り手となるあたりがファンタジーっぽいが、物語そのものは、モノに託されたり隠されたりした静かであたたかい人々の心の物語。
重苦しくなることなく、やわらかにのれんを揺らす風のような読み心地が良かった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー&ホラー
- 感想投稿日 : 2021年7月22日
- 読了日 : 2021年6月30日
- 本棚登録日 : 2021年7月4日
みんなの感想をみる