バーティミアス (3) プトレマイオスの門

  • 理論社 (2005年12月8日発売)
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権力を求め、まさに魔術師的な考え方や振舞い方をするようになったナサニエルからは、アンダーウット夫妻と暮らしていたころの少年の面影はほとんど消えかけていた。
ナサニエルがそんな自分に気づき、昔の思い出を求めてラッチェンズ先生のもとへ会いに行ったとき、ラッチェンズ先生はナサニエルのことを魔術師ジョン・マンドレイクとして扱った。先生はマンドレイクのしていることが許せなかったのだろうけど、その先生の態度から、ナサニエルはもう自分が取り返しのつかないところまできてしまったと悟ったのだと思う。
ナサニエルは子供の頃から魔術師になることを定められ、その道を進んでいくうちにもうどこにもいけないところにまで来てしまった。ナサニエルがガラス宮殿で<杖>の力を解放するとき、バーティミアスを解放したのは、バーティミアス自身を大切に思っていたからだけでなく、かつての自分、少年ナサニエルも一緒に解放しようとしたんじゃないかと思った。

プトレマイオスほどの絆は、ナサニエルとバーティミアスの間にはなかったかもしれない。でも、バーティミアスにはこのかわいそうな少年のことを忘れないであげてほしい。ナサニエルは本当に、よく頑張ったと思う。






うわあああああああああナサニエルーーーーーーーーーーー!!!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2020年7月21日
読了日 : 2020年7月21日
本棚登録日 : 2020年7月21日

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