序章である「銀河系史概略」から、大きな戦いの後の束の間の休息の中で、意外な黒幕が正体を垣間見せる最終章の「新たなる序章」まで、時間も忘れて読み耽りました。
純粋にフィクションであり、読み応え充分面白さ抜群のエンタテインメントでありながら、重厚な歴史書に綴られた史実を読んでいるような気分になりました。
かわぐちかいじさんの「沈黙の艦隊」や北方謙三さんの「水滸伝」、それぞれの第1巻を読み終えた時の気分も、こんなんやったように思います。
500年近くに渡って銀河に栄華を築く帝国と、民主主義を標榜して帝国への反旗を翻す自由惑星同盟の対立の歴史が描かれるときけば、パッと自由惑星同盟に正義を置きたくなるもんです。
ただ、実際に読んでみるとなかなかどうして両陣営とも清濁入り乱れた様々複雑な社会、人間模様が描かれており、それがまた読み応えを増してくれますね。
各陣営の主人公的な二人のキャラに冠せられた二つ名もシビれます。
"常勝の天才"と"不敗の魔術師"、今は共に二十代の若き二人が、これからどんな人生、生き様を見せてくれるのか、とても楽しみです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
田中芳樹
- 感想投稿日 : 2018年1月13日
- 読了日 : 2018年1月12日
- 本棚登録日 : 2017年12月29日
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