野中広務の人生にに迫ったノンフィクション。
この本は野中広務が被差別部落の出身だったというのが大きなキーとなっている。作者自身が野中に「何でこんなことを書くんだ」と追求され「業なんです」と言ったエピソードが深い。
部落出身者だと知って手のひらを返された経験が野中を冷徹な男に変えたのかもしれない。しかし、一方で野中は徹底的な平和主義者であり社会的弱者の味方のスタンスを強く持ち、これも生い立ち故なのだと感じた。
ダーティでありヒューマニストでもある。正反対の特性の間で揺らめく野中広務という人間が好きになった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
政治
- 感想投稿日 : 2012年10月18日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年10月18日
みんなの感想をみる