これまでのマクロ経済学においてあまり触れられなかった人口増減という要素を用いて、現在の日本経済の停滞を説明している。確かに、一人当たりの消費額なんてそうそう変わらないんだから、消費する世代の人口が減れば、消費総額が落ちて、結果的に経済が停滞していくのは当たり前。なるほど。
特に第6講で示される「人口の波」のグラフは、津波のように押し寄せる高齢化を顕著に示しており、ちょっと恐ろしさすらある。
豊富なデータと軽妙な語り口(これは好き嫌い分かれるかも)で読みやすいし、これまでにない切り口の経済本なので、読んでおいて損は無い一冊。世間では好景気とされていても個人的にあまり実感がわかなかったリーマンショック前の状況が、この本でスッと腑に落ちました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
経済
- 感想投稿日 : 2012年7月9日
- 読了日 : 2012年7月9日
- 本棚登録日 : 2012年2月13日
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