かつて半沢直樹を毎週テレビにかじりつきながら観ておきながら、池井戸潤さんの本だけでなく、経済小説というジャンル自体を読んだことがないのに気づき、今回この本を読んでみました。
かつて宇宙科学開発機構で研究員としてロケットのエンジン開発をしていた佃航平。しかし打ち上げ失敗から半ば逃げるように家業を継ぎ、現在は中小企業・佃製作所の社長としてエンジンとその周辺デバイスの製造に携わっている。
得意先から突然取引打ち切り言い渡され、その上競合会社から理不尽な特許裁判を起こされて、経営危機に。そんなとき、帝国重工から5億円でエンジンバルブの特許権を売るよう打診されるが…。
佃製作所の人々だけでなく、帝国重工がどう考えているのかも描かれています。資金繰りに悩む中、目の前の大金か、金になるかわからない技術に賭けるか、落としどころはどこなのかをドキドキしながら読みました。
各々の仕事に対する考え方違ったり、野心があったり、夢があったり、プライドがあったり。みんな違ってみんな正しい。会社組織として一つにまとまって、目標に向かっていく姿にスカッとしました。
エンジンの自社開発といっても、実際は様々なパーツを様々なメーカーから調達して組み立てるものなので、そもそもこのような帝国重工のこだわりって現実にはありえないような気がするのですが、それを差し引いても、とても面白かったです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月20日
- 読了日 : 2023年11月20日
- 本棚登録日 : 2023年11月20日
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