遊興町の裏手で男の死体が見つかった。その手には桔梗の花、何かを知るのは花街には相応しくない大人しい少女…(『桔梗の宿』)、私の記憶の中の、女が男を殺している姿がはっきりと残っている。あれはもしかして、母と父なのだろうか…(『白蓮の寺』)など全五編。
やっと読めた!物悲しくて、美しい短編集。語り口がその当時のものなので慣れが必要だけど、だからこそ昭和の美しい映画のようで雰囲気が素敵。短編なのに一話ずつの世界観の作りが完璧で、謎も作り込まれていて解決も鮮やか。『桐の棺』と『白蓮の寺』が特に好きかな。そして図書館にあった本が単行本第一刷で驚き。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年4月15日
- 読了日 : 2020年4月15日
- 本棚登録日 : 2013年5月9日
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