白川静先生の著作は何冊目か。もっとも文庫本や新書ばかりであるが。
漢字を通じて中国古代の習俗、神話、社会国家を解き明かす内容。ある程度白川先生の漢字学に慣れていないと、この本の漢字の説明は判りづらいかも知れない。
漢字に古代の習俗の記憶が隠されていること。それを解き明かす白川先生に改めて感心させられる一冊。
商(殷)の始祖、湯王を補佐した伊尹。伊水の洪水神としてその地の部族神とされていたものだろうとのこと。王権の授与者として神権を代表するものとのこと。宮城谷昌光さんの「天空の舟」では料理人から王の補佐となったものとあったけれど、神話時代では違うということか。
禹は本来、洪水神。人面魚身で土器に描かれているよう。漢字の本来は雄雌の龍形の二体。後に墨家に崇められる。
国家の創成期は部族神話が滅びていく時代でもあったのだろうか。
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- 感想投稿日 : 2014年9月7日
- 読了日 : 2014年9月7日
- 本棚登録日 : 2014年9月7日
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