もっと知りたい世紀末ウィーンの美術 クリムト、シーレらが活躍した黄金と退廃の帝都 (アート・ビギナーズ・コレクション)

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  • 東京美術 (2009年8月20日発売)
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感想 : 13
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世紀末ウィーンの退廃。現実から目を逸らして、快楽に溺れる。これは一時の夢、その先にあるのは破滅かもしれないけれども、今が楽しいならば先のことなど考えたくもない。そんな雰囲気が、嫌いではない。駄目だと頭では分かっていても、華美な美しさや古き良きものには心が躍るのだ。
熟しきった果実。後は腐って朽ちてゆくだけ。その死の影さえも、一時の夢を美しく彩ってくれる。
この時代の旧態依然としたアカデミーには興味が無かったけれど、これを読むとウィーンの退廃につながって、興味がわいてきた。
著者の書きぶりからは、この時代が大好きなのだという気持ちが強く伝わってくる。うまいこと言わなくていいから、と突っ込みたくなる部分は多々あったけれど、それも好きが高じて、なのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 専門書
感想投稿日 : 2014年12月3日
読了日 : 2014年12月3日
本棚登録日 : 2014年12月3日

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