手紙 (文春文庫 ひ 13-6)

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年10月6日発売)
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感想 : 3562
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なんて作品なんだろう。東野圭吾さんの作品、まだ3作品めだがびっくり。想像していたミステリじゃない。
兄·剛志は弟の大学資金を得るため強盗を企て、殺人を犯してしまう。そこから、弟·直貴の人生が1ヶ月ごとに届く兄からの手紙に沿って展開されてゆく。まるで流れる小川のような読み心地。
元は弟の将来のためであったはずなのに、兄が犯した罪が弟の人生の中で障壁となっていく。直貴は兄を恨むも恨めず、行き場のない諦めとともに人生を生きている。出会いや気付きを経て、直貴の兄への向き合い方も徐々に変化してゆく様が描かれている。
テーマが重いため簡単に自分の感情を移入できないが、きっと、正解なんてどこにもなくて。向き合い続ける他ないんだろう。
よく紹介されているのを目にして読んだが、とてもよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月24日
読了日 : 2023年11月24日
本棚登録日 : 2023年11月17日

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