警視庁警備部の係長、三十代にして警部とうエリートコースに乗っていた主人公の柴崎令司が、不祥事を理由に綾瀬署に左遷させられる。捜査部門の経験が殆どないままいきなり所轄の総務部門にて奮闘する連作短編集。柴崎令司シリーズの一作目。
出世欲があり本庁への返り咲きを狙う柴崎のキャラは、正直共感しにくいしあまり魅力的ではない。だが、上司である捜査畑出身の助川副署長の元で、捜査のコツや面白さに気づいていく成長物語の様相がなかなか面白い。連作短編という形式のなので、柴崎は様々な事件に関わることで経験を積んでいく流れである。
本作の一編である『随監』は日本推理作家協会賞短編部門受賞作。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリJP
- 感想投稿日 : 2021年7月22日
- 読了日 : 2021年7月22日
- 本棚登録日 : 2021年7月22日
みんなの感想をみる