遊びと人間

  • 岩波書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000000055

感想・レビュー・書評

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  • 遊びを真面目に分析した本。
    分類より考察できるその理論が興味深い。

  • ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』は「遊び」について書かれた学問的に有名な本だが、その後「遊び」論がどう展開していったかについて、きちんとフォローしている人は、美学を除けば、人文社会学の中の人でもあまりいないのではなかろうか。本著は、まさに『ホモ・ルーデンス』の論を引き継ぐ「遊び」論として、一読に値するものである。

    『ホモ・ルーデンス』と異なるのは、訳者あとがきにもあるように、カイヨワが理論を中心に関心をもっている点である。それは遊びを4つの種類に分類して議論を進めていることからもあきらかである。このような「遊び」の複眼性をもって、そこに形成される文化や社会を投射するというのが全体的な特徴といえる。

    「遊び」というのはなかなか面白い概念なので(そもそも「遊び」がつまらない概念だとしたら、それは相当まずい気がするが)、気になったら是非一度足を踏み入れてほしい領域。といっても僕もまだまだ全然読んでいないのでこれから勉強だー。

  • 大学通教体育理論のレポート用にと参考文献としてあげたもの。
    講談社版が新しいが、図書館にはなかった(T_T)仕方がないので、岩波書店版(1988年版)を借りてきました。

    カイヨワが言う、4つの遊びの分類は様々な分野で聞くこともあるが、私は今回体育理論において、スポーツ文化と社会性について今回書かねばならない。カイヨワがいうこの遊びの分類は、スポーツというものが遊びからきたものであること、それを教育としての体育学がありスポーツに発展するまでの過程をこの分類にあてはめて論理展開している。
    第一部と第二部に別れているが、第一部だけで十分理解できるのではないか。ただ第二部は、その遊びたるものが、社会学まで展開されているので、カイヨワの理論で何を得たいかをはっきりと決めて取りかからないと、頭の中が散漫しそうだと思う。

    ゲーム理論において良くこのカイヨワの4分類がでてくるらしい。自分の幼き頃の遊びがどれに属していたか、そして大人はそれをどのようにスポーツに展開していったかなど自分にあわせて考えてみるとわかりやすいかとおもう。

  • 遊びを4つのカテゴリーに分類。遊びについて考える時に便利。

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著者プロフィール

(Roger Caillois)
1913年、フランスのマルヌ県ランスに生まれる。エコール・ノルマルを卒業後アンドレ・ブルトンと出会い、シュルレアリスム運動に参加するが数年にして訣別。38年バタイユ、レリスらと「社会学研究会」を結成。39–44年文化使節としてアルゼンチンへ渡り『レットル・フランセーズ』を創刊。48年ユネスコにはいり、52年から《対角線の諸科学》つまり哲学的人文科学的学際にささげた国際雑誌『ディオゲネス』を刊行し編集長をつとめた。71年よりアカデミー・フランセーズ会員。78年に死去。思索の大胆さが古典的な形式に支えられたその多くの著作は、詩から鉱物学、美学から動物学、神学から民俗学と多岐にわたる。邦訳に、『戦争論』、『幻想のさなかに』(以上、法政大学出版局刊)『遊びと人間』、『蛸』、『文学の思い上り』、『石が書く』など多数。

「2018年 『アルペイオスの流れ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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