- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000028783
感想・レビュー・書評
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2009年度S大EHゼミテキストのひとつ。自由、福祉、格差、などなどを都度定義を繰り返しながら、あるべきものを理詰めで描く。J.ロールズとのやりとりなども書き込まれる。経済学や開発経済の分野のことは、必ずしもわかりやすいわけじゃないけれども、こうして一つ一つ、確認を繰り返すのは大事だと思う。センはジェンダーについての配慮がきめ細かく、そういう意味では、今以上に読まれて欲しいなと思う。
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3255円購入2011年03月31日
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法理学ゼミで読み込んだ。平等ってそもそも何?ってとこから平等を求める意義や本質に迫る。
センの概念は大いに納得できるものがあり、これから社会を動かしていく上で活用できる部分は多いだろう。主に貧困対策に重点がありそうだが、私は職業選択の部分でも使えそうだと感じた。センは勇気が打ち砕かれていることが潜在能力がないことだと考えているから、例えば江戸時代のえた・ひにんなんかはそうだろうけど士農工商は当てはまるのか、現代では私の知り合いでは坊さんの家に生まれたら坊さんになるとか京都の旅館に生まれたら女将さんになるとかそういうのは勇気は打ち砕かれてないけど潜在能力は人より制限されていると思う。そういった観点で違和感のある部分は正していかなければならないのだろう。
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通常の政治哲学思想では、その人が考える最善の思想を当たり前かのように書くが、センはそれらを一歩離れた立場から観察し、彼らは皆自分が重要であると思う指標に関して平等主義的であるとまとめている。その上で、複合的な観察から、セン独自の幅広い守備範囲での平等を考察しており、とても興味深く、また説得的な内容となっている。
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セン教授の唱える潜在能力について興味が湧いたので、いろいろあるうちの本書からスタート。「幸福であることは重要な機能の一つ」だけど「でもそれが人生を送るためのすべてだと見なすことはできない」というのが印象的に残りました。