- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000073516
感想・レビュー・書評
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脚本家、小説家。
なんでもいい、物語を創るものにとっては必読書だと思う。
第6章だけでもいいから読んだほうがいい。 -
詩(悲劇)とはどうあるべきかを論じた二編。
『詩学』の方は評論というよりも「悲劇の書き方」といった方がよい内容。たとえば、主題は一貫しているなければならない、言葉はどう選ぶべきか、比喩の使い方、そして「悲劇の制作について」というそのものズバリの論も展開している。ここでは筋書きの作成や矛盾・不自然の回避のためには筋をどう選ばないといけないか、結び、解決のしかた、など例を挙げている。「悲劇はこうあるべきだ」とあるべき論を展開しているはずなのだが、どう読んでも「悲劇の書き方」になっている。
『詩論』はもう少し文学論寄りの内容であるが、ホラーティウス自身が詩人ということもあり、「詩を書く上での心構え」といった趣の内容となっている。また、登場人物の描き方であったり、あれこれ引用してはいけないなど、やはり「書き方」も書かれている。
どちらも後世に名を残した人物による「書き方のレクチャー」であり今でも普通に通じる内容である。現在に至るまで様々な技法が生み出されているが、物語を語るということの本質はギリシア時代から変わっていないと分かる。