イタリア・ユダヤ人の風景

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000221450

作品紹介・あらすじ

ファシズムとナチズムの交錯する第二次大戦下のイタリア。戦場から離れた都市の片隅で、戦火とは異なるもう一つの暴力が多くの無辜の命を奪おうとしていた。どのような運命がイタリアのユダヤ人たちに襲いかかり、何が彼らの命運を分けたのか…。著者はローマ、ヴェネツィア、トリエステ、フェッラーラをめぐり、その沈黙する街路に立って、苦難に生き、闘い、斃れた彼らの声に耳を澄ます。イタリア社会の深部を、ひそやかに、しかし滔々と流れ続けてきたユダヤ人とその文化の水脈をたどる旅。

感想・レビュー・書評

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  • 1943年10月16日、土曜日。運命の朝。まだ暗いうちから異常な気配に気づいた者は、何人かいた。気づいた時刻が早ければ早いほど、死の罠を逃れることができた。一瞬の判断と機転とが、人間の生死の境を分けるのは、いつの世であれ、どこの土地であれ、同じであろう。夜明け前の薄暗がりの中に、ひしめく兵隊の影を認めて、「マンモニー」と叫び声をあげたのは、レティツィアという名前の中年の女性だった。ローマのユダヤ人の間で警官や兵隊を意味するこの言葉マンモニーが、旧ゲットーの街路から街路へ伝わるより早く、ドイツ兵の重たい靴音は街角から街角へ響きわたって、非常線がめぐらされた。ドイツ軍SSが100人はいた。

  • イタリアのユダヤ人迫害は知らない事が多い・・・が挫折しました。

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