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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000238939
作品紹介・あらすじ
中国というこの巨大な隣国は、なぜ、いかにして二千年もの長期に亘り、幾多の動乱や変転を経ながらも、その統一性を保持して今日にいたるのか。中国史の長期的な動態・静態的構造には、幹部と民衆、関係と制度、都市と農村、政治と経済という四つの断層性があった。中国社会の基底構造を踏まえ、現代中国の可変性と不変性のメカニズムを解明する。
感想・レビュー・書評
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著者は冒頭でまず、「基底構造」と呼ぶ中国社会の構造的な特徴を提示する。領土・人口・思想・権力の「大規模性」と、幹部対民衆・関係(クワンシ)対制度・都市対農村・政治対経済の「断層性」である。この「地域の特殊性」を挙げることに地域研究の意義を見出しているようにも見える。
この土台の上に社会や地方、習近平時代も含めた政治体制を分析しているが、予想ほど難解ではなく、中国報道に日常的に接していれば読めるほどでありがたい。
著者は、経済発展は政治的民主化をもたらすという単純な「普遍論」には与せず、政治面では基本的な構造は変わらないと述べている。一方で、中国は一切不変で特殊だともしておらず、市場化や都市化は他国とも共通だという点を挙げている。詰まるところ、終章で著者が述べる、「変わる中国」と「変わりにくい中国」の関係、「普遍論」と「特殊論」の関係をどう捉えるかの葛藤、というのが本書を流れるテーマと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・開架 312.22A/A42c//K
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