デザインのデザイン

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000240055

感想・レビュー・書評

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  • 今年、デザインの再発見、再定義をしようと思って、デザイン本を年間50冊読もうという目標を立てた。本書は独立して間もない頃、20年ほど前に読んだと記憶しているが、自分の経験が、ようやく文章の意味を理解するに足りて来た感じがして新鮮な読書だった。

    特に冒頭のデザインの歴史の原氏の解釈は、デザインの学び直しを始めるのにちょうど良かったように思う。言葉選びが平易ながらも洗練されていて、物書きとしての原氏も魅力的だなあと感じた。

    様々な事例を紐解いていく中で、デザインを様々な言葉で語っているが、「人間が暮らすことや生きることの意味を、ものづくりのプロセスを通して解釈していこうという意欲がデザインなのである」というフレーズに、力強さを感じた。

  • 今まで「デザイン」という概念がつかみどころがなく、本書を読んでみたらハッキリ分かるのかと思ったが、明確に「デザイン」を定義することは難しいと感じた。

    しかし、デザインは日常の中から新しい問いを発見し、それを解決していくプロセスであるということは原さんも再三述べており、新奇性を追求して競争することがデザインではない、ということは納得できた。

    また、日本人はデザインの基礎教育が不足しており、例として住空間に対する美意識が低い(欲望の水準が低い)と言っていたが、確かにその通りだなと実感した。

    日本人として、静寂さや空っぽの器の力をうまく利用するような独特な日本的なデザインを学び直したいとも思った。『陰翳礼讃』も本書で登場していたが、もう一度読み直してみたい。


  • そうなると自社工場で製品をつくる「メーカー」の企業意識は当然変わってくるだろう。いわゆる「製造」から自由になって、商品開発、新しいマーケットの探査と創造、ITを用いた新しい販売ルートの開拓、商品を媒介した様々なサービスの供与などに事業を集中できる。p131

    今日、市場にある顧客の欲望や希求はマーケティングによって高精度に「スキャン」されている。p.133

    ここで言う「センスのよさ」とは、それを持たない商品と比較した場合に、一方が啓発性を持ち他を駆逐していく力のことである。p.135

    着眼対局着手小局

  • 開始:2023/5/28
    終了:2023/6/4

    感想
    デザインは深い人間洞察に基づく営み。その本質は時代を経ても不変。デザイナーに求められるのは足し算ばかりではない。空の器を作る。

  • 幾度目かの再読。初めて読んだのは15年ほど前で、以降折に触れて読み返している。読む度に新しい気づきがある。遠い地平に向けて書かかれており、当時は読んでいても気づけなかった事を、初めて読んだことのように瑞々しく感じられるのは、良書の証左。

  • ・市場の欲望の水準をいかに高水準に保つかということを同時に意識し、ここに戦略を持たないと
    ・欲望の質を肥やしていくことが、収穫物の品質を向上させ、グローバルなステージでの日本の競争力を引き上げていくことに繋がるはずだ。

  • デザインやペイントや創作についてちょっと深まったかも。
    田中一光とかもうちょい掘りたい。

  • マーケティングとデザインの話が面白かった。
    デザインセンスのない国でダサいものを打っても売れる。そこにかっこいいものが出てくるとだんだんとデザインセンスが上がってきて気付く場合もある

  • デザインの本質が書かれている1冊。
    その道の人にオススメしていただいたが、知識が皆無の状態で読むには少々難解だった。読み応えはありそう。もう少し経験を重ねてから読み直したい。

  • GO課題図書
    日本デザインセンターつくったひと

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著者プロフィール

グラフィック・デザイナー。1958年岡山市生まれ。武蔵野美術大学教授。日本デザインセンター代表。
文化は本質的にローカルなものととらえつつ、日本を資源に世界の文脈に向き合うデザインを展開している。広告、商品、展覧会、空間など、多様なメディアで活動。
著書は『デザインのデザイン』(岩波書店/サントリー学芸賞受賞)、『白』(中央公論新社)ほか多数。

「2014年 『みつばち鈴木先生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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