果てなき便り

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000244800

作品紹介・あらすじ

「節子よ!」没後十年に明かされる、作家・吉村昭から愛する女性=妻への、妻から夫への手紙の束百余通。長い苦節の時代、家族と遠く離れ孤独に苛まれる取材の旅、そして、妻への最後の手紙となった遺書-。決心、希望、情熱、望郷、愛、いたわり等々の男の心、女の気持ちが装いなく吐露された言葉の数々。夫婦作家、慈しみの軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 亡き夫、吉村昭からの手紙を手がかりに夫婦の軌跡を描き出すエッセイ。
    「図書」に連載中から読み応えのあるエッセイと思っていましたが、単行本となって改めて通読すると、手紙というものは実に人の心を打つものだと思いました。終盤の弟さんの闘病、吉村昭本人の死の描かれ方が胸を衝く。

  • 津村節子さん(1928.6.5~)の「果てなき便り」、2016.6発行です。夫、吉村昭氏(1927.5.1~2006.7.31 享年79)没後10年、夫婦作家、吉村昭と北原節子、吉村昭と吉村節子の慈しみの軌跡、往復書簡をもとに、妻、津島節子さんが心の内を綴っておいでです。夫から妻への最後の手紙には、家訓と遺言が添えられていました。平成29年春、荒川区に開設予定の吉村昭記念文学館、南千住図書館の隣りとか、是非訪れたいと思います!

  • 夫婦が作家というのは素晴らしいし、夫婦愛にも感動。
    兄弟愛にも・・・。

  • 稚拙で下世話な言い方だけれども、
    「崇高で誇り高いけれど、人間の本質と飾り気のない潔さと少しの微笑ましさ」
    を感じさせられる(故)吉村昭さんと津村節子さんのお手紙のやりとりの記録。

    恥ずかしながら、吉村昭さんを知ったのは、
    東日本大震災後にご著書「三陸海岸大津波」が沢山の人に読まれているとニュースで流れてから。
    未読。

    今後、お二人のご著書を読む時には、書かれた当時を想像できるのだな。

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著者プロフィール

津村節子(つむら せつこ)
1928年 福井市生まれ。
学習院短期大学国文科卒。
1953年 吉村昭と結婚。
1964年 「さい果て」新潮社同人雑誌賞受賞。
1965年 「玩具」芥川賞受賞。
1990年 『流星雨』女流文学賞受賞。
1998年 『智恵子飛ぶ』芸術選奨文部大臣賞受賞。
2003年 恩賜賞・日本芸術院賞受賞。
2011年 「異郷」川端康成文学賞、『紅梅』菊池寛賞受賞。
日本芸術院会員。
主な作品
『重い歳月』『冬の虹』『海鳴』『炎の舞い』『黒い潮』『星祭りの町』『土恋』『三陸の海』等。
2005年『津村節子自選作品集』(全6巻)刊行。

「2022年 『紅色のあじさい 津村節子 自選作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

津村節子の作品

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