- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000248297
作品紹介・あらすじ
「本気で伝えたい」「分かってほしい」――この本を貫くのは、教師が学生に論理学の魅力を届けたいと願ったその思いである。第?部では記号を使わずに、日常の言葉の中で論理学の話題を取り上げる。そして第?部では、記号を使ってそれを武器にしながら、現代論理学の基本的な体系である述語論理までを一望する。生活や仕事で論理的になりたいと思う人にもかならず役立つ一冊。
■著者からのメッセージ
本書は二部構成になっています。第?部では記号を使わず、日常の言葉の中で論理学の話題を取り上げます。まずここの部分がないと、いきなり記号を使って論理学を展開しても、何をやっているのか分からないでしょう。また、第?部には実用的な面もあるので、ここだけ学習しても得るものはあるはずです。生活や仕事で、もっと論理的になりたいと思っている人たちの力に少しでもなれたら幸いです。
第?部では、第?部で学んだことをもとに、記号を駆使した記号論理学の世界を紹介していきます。記号を使い始めると、実のところむしろ話は明確になるのですが、一方でこれは何をしているのか、よく分からなくなってしまいがちです。でも、だいじょうぶ。折に触れて全体の流れを俯瞰して現在位置を確認し、迷子にならないようにします。
本書を学べば、現代論理学の基本的な体系である述語論理がどのようなものであるかが理解できます。そして、遠くにゲーデルの不完全性定理が見えるところまで、読者を連れて行きましょう。論理学というのはなかなか不思議な学問で、頭の中で考えるだけで広がってゆく世界です。その意味では数学に近いのですが、それが日常の言葉に即して展開されるところが論理学の独特さです。他の学問にない味わいがあり、学生の中にも論理学にはまる学生がいたりします。そしかしたらあなたもはまるかもしれません。
この本では、大学の授業のように、説明したら、次は問題を出してそれを解説して、そのあとにさらに練習問題を出して理解度を確認するという形を基本的にとっています。ときどき差し挟んでいる質疑応答も、本書の特徴でしょう。初心者がつまずきそうなところはいちいち質問と答えの形で手当しました。こんなに初心者に配慮した論理学の教科書は、私が以前に出したものも含めて、これまでにはなかったと思います。
/――「はじめに」より
感想・レビュー・書評
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大学生の頃から野矢先生の書いた論理学の本を読んできた。どの本にも豊富な練習問題があって、問題を解きながら理解が深められる。著者が東大から立正大学に移ってから、そこの学生を念頭において書かれたのが本書だという。これまでの本と比べると扱う内容が減って、説明がかなり分かりやすい。ボリューム自体も多くないので、タイトルどおりまったくの初学者にも読みやすいと思う。
大学の講義は半期15回で全30回。各章を一回の講義で解説するなら最後の31、32章はエキストラということか。この2つの章は本書の中ではなかなか難しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【星:4.5】
論理学をとにかくわかって欲しい、そんな著者の熱意が伝わってくる。難しい論理学をとにかく分かりやすく説明してくれている。
著者の本は何冊かよんだが、その中でも飛び抜けてわかりやすい。まさに0からの論理学である。
ただ、個別の内容はわかりやすいのだが、ここで学んだことは具体的にどう生かせるのか、なんのために演繹というものを突き詰めて行こうとするのか、など論理学の目的みたいなものが掴めなかった。そこがちょっと残念。 -
2023-04-23
改めて勉強し直そうと読んだ。ほぼ分かってたつもりになってた事を、明確に意識することが出来た。
けどやっぱり否定を含む多重量化述語論理の妥当性の判断は難しいです。頭がこんがらがる。 -
古典論理学の範囲をとても丁寧に解説している。よく分からない記号などを扱う上で心理的なハードルを下げるにはとても良かった。
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論理とはどういうことかと思ったら、読み返したい
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【推薦者】
スポーツ文化学部 スポーツ国際学科教員 山口 和之
【学生へのメッセージ】
論理的に考えたい、そして論理的な文章を作りたいと願い、その方法を模索している学生には本書をお勧めします。もし読了後、物足りなさを感じたら、著者の同テーマの他の本を探してください。多数出版されていますが、自分の理解度に合わせて選んでみてください。
▼配架・貸出状況
https://opac.nittai.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&AL=9784000248297&EXIT=2&i=1636338154618 -
野矢先生の著作は以前にも読んだことがあり、論理についてわかりやすく書かれていた記憶があり、本作も手に取ってみましたが、こちらは一転、本格的な入門書、という内容。
丁寧に解説されており、論理学の初心者があたかも大学の講義を受けているかのように学習できるレベルではないかと思います。ところどころに挿入されている質問者と著者の掛け合いがなかなかおもしろく、読者が疑問に思うであろう点を先回りして解消する役目を果たしていると思いました。 -
最後の1.2章はついていけているかどうか微妙なくらい…。良い頭の体操になった。論理学を学ぶことはなかなか有意義だとも思った。
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条件法の真理表が全く理解出来なくてイライラしたので買った。わかりやすいという一言に尽きる。
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記号論理学・数理論理学を学びたい人、どんなものが知りたい人、今まで入門書を読んでいまひとつ腑に落ちていない人は、この本をきちんと問題を解きながらゆっくり目に読んでみるといいと思う。問題のレベルもちょうどよく、多すぎないのもいい。
前半では記号によらず、論理学を日常のことばで言い換えるとどういうことになっているのかに焦点をあて、後半ではおなじみの記号を使ってその内容の解釈の仕方の基本中の基本を解説してくれる。「恒真式(トートロジー)」や
「全称(∀)・存在(∃)・単称」などいまひとつ納得できていないはぜひ。