ワイマ-ル期ベルリンの日本人: 洋行知識人の反帝ネットワ-ク

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000257657

作品紹介・あらすじ

ナチス台頭前夜、ベルリンで読書会を始めた若き知識人群像。その軌跡と時代の波涛との接点を歴史として初めて描き出す記念碑的労作。

感想・レビュー・書評

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  •        -2009.02.24

    副題に「洋行知識人の反帝ネットワーク」とある。大正後期から昭和初期にかけて、ワイマール.ドイツに滞在する日本人1000人近くに達した。その学者や芸術家たち、政治的に先鋭化してゆく者、その対立批判派、あるいは中立派などの動向を伝える。

  • ワイマール期にベルリンに滞在していた日本人で左翼的な活動をしていた人々についての論考。
    雑誌連載を纏めたものか、千田是也など一人の人間について、その生涯を掘り下げているわけではない。
    ただ、国崎 定洞が山本懸蔵に密告される原因については、国崎が出した手紙から知ることができた。

  • 神保町岩波書店の特集書棚で発見。少々お高いので、スマホで検索してみたら図書館に所蔵されており、出先から予約を入れた。高い本の割には、やや週刊誌的読み物に類したところがある。しかも、既存論文を取り込んでいて、誠実に筆を入れていないので、重複する部分が未整理のまま繰り返し出てくる。筆者は一橋大学教授となっているが、東大卒業後大月書店に勤務し、旧東ドイツに派遣され、その後学問の世界に入ってきた経歴の持ち主なので、党派的立場ははっきりしている。それに、やや自慢話が多いのが鼻につく。
    ただ、この本で国崎定洞のことは初めて知ったし、その昔読んだ「ワイマール共和国物語」を書いた有澤廣巳が、単なる懐古趣味でなかったことがよく分かった。法律学全集の物権法でお世話になった舟橋諄一の名前まで出てきたのには正直驚いた。

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著者プロフィール

1947 年岩手県生まれ。東京大学法学部卒業、博士(法学)。現在、早稲田大学大学院政治学研究科客員教授、一橋大学名誉教授。英国エセックス大学、米国スタンフォード大学、ハーバード大学、ドイツ・ベルリン・フンボルト大学客員研究員、インド・デリー大学、メキシコ大学院大学客員教授等を歴任。専門は政治学・比較政治・現代史。インターネット上で「ネチズン・カレッジ」主宰。著書に『「飽食した悪魔」の戦後――731部隊と二木秀雄『政界ジープ』』(花伝社、2017年)、『日本の社会主義――原爆反対・原発推進の論理』(岩波現代全書、2013年)、『ゾルゲ事件――覆された神話』(平凡社新書、2014年)など多数。

「2018年 『731部隊と戦後日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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