- Amazon.co.jp ・本 (129ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000264327
感想・レビュー・書評
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これも再読。最近再読にハマっている。再読というのは、昔は理解できなかったことを理解できるようになっていることに気づき、また昔はあったものを失っていることに気づく行為である。昔の自分と今の自分の何が変わって何が変わらないのかを定点観測できる、とっても素敵な装置だ。
で、コレである。わたしは今、巡り巡ってまわりまわって、結局フェミニズム的なところに戻ってきてしまっている。正直、日本の著者のフェミニズム関連書籍でコレはと思うものにはあまり巡り会えたことはないし、主張も正直いっていまひとつ心酔できる人はいないのだが、竹村和子の理知的な語りは非常に納得するところが多い。独創性はないかもしれないが、深い射程でフェミニズムという批評枠を捉えていることがしんしんと伝わってくる。
内容は大まかに、今までのフェミニズムの思想と運動を概観しつつ、今(といっても20年くらい前だが)挙がっている大きな思想的課題をポンポンと俎上にあげたもの。歴史の概観はご専門のアメリカに偏っているようだが、かなりうねりがわかりやすい。また、思想面も①身体②慣習③グローバル化と色んな側面からの議論が紹介されていて広がりがある。文献も豊富に引用されるし、まあまず教科書というか入門というか基本書と捉えて間違いないだろうと思います。これからも参照させてもらうと思う。なによりフェミニズムという批評枠がいかに困難であるか(達成しようとすればするほど自家中毒に陥る構造)、それでもなおその存在意義をあらゆる話題でどう捉えるかを考え続ける姿勢が非常に抑制されつつ真摯な議論としてあるのが素晴らしいです。やはりこのくらいのものは基本線として読みたいと思うんだけど。
とりあえず、次はブルデューである(これずっと言ってる)。ブルデューは本当に訳がなあ…もう少しどうにかなってくれるといいんだけど。まあならないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
彼女のこれまでの研究がまとめあげられている。
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テンポよく読ませるし、精神分析学による身体論など、ふーん…と思わされる箇所もあったけれど、少なくともフェミニズムの入門書ではないよう(^^)