- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000266697
作品紹介・あらすじ
地球上に存在するあらゆる生命の歴史において、「個体」の発生とその主体化という出来事ほど画期的な事象はない。「人間的自我」の探究のために遺伝子理論・動物行動学・動物社会学の領域に踏み込み、「自我」成立の過程をさぐった野心作。
感想・レビュー・書評
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テレオノミーの関係系ーー個の自己裂開的な構造
①(個体)という存在仕方は、生成子たちの永劫の転生の旅(eternal caravan of reincarnation)の一期の宿として、そして幾十万という生成子たちがそごに来会集住する共生態として派生してきた。個体は共生系出ある。我々の身体はこの共生する生成子たちの再生成によりふさわしいような仕方で、幾憶年来たゆみなく進化してきた。②(個体) というシステムはそれがいったん形跡されるや、進化の派生的自立態として主体化する。まず出現の当初から、この共生系自体としてのエージェント的な主体化を発達しはじめ、生成子内部の生成子淘汰、多細胞化(ボトルネック化)、免疫システム、脳神経系、等をとおして、幾層もの(自己)中心化を構成しづつける。とりわけ脳神経系の高度化は、おそらく社会性を前提とする個体の対他的意味の多次元化と共に、個のテレオノミー的な主体化を出現するまでに至る。
とはいえ(個体)のこの目的論的な自立化の進化の日付けは以外に新しく、ヒトという種の出現を待ってはじめて確立するもののように思われる。生命の歴史における派生的自立態としての(都市)一般の形成と比定しうるとすれば、この派生態の主体化の完成としてのヒトの出現は、人間の歴史の中の都市の原理の普遍化としての、 (近代)という世界の成立比定することができる。③個体は形成されど主体完成されたあとも、この幾重もの(自己 化)の装着詳細をみるコメント0件をすべて表示