短歌部,ただいま部員募集中! (岩波ジュニアスタートブックス)

  • 岩波書店
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000272445

作品紹介・あらすじ

なかなか口に出せない日々の思いや悩みを,短歌に託して表現してみよう! そうして言葉にすることで気持ちが楽になったり、次の一歩が踏み出せることもある.「短歌を詠んでみよう!」と呼びかけるとともに,その魅力、豊かさを二人の歌人が多くの作品を通して伝える.短歌部へ、ようこそ!.

感想・レビュー・書評

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  • 短歌の入門書ですね。
    中高生向けの短歌へのいざないです。
    短歌を通して、自分の気持ちを表現する事によって、新たな発見を得られたりで、気持ちを楽にできると、推薦されています。二人の歌人が案内役。
    小島なおさん(1986年、東京生まれ)歌人。
    千葉聡さん(1968年、神奈川県生まれ)歌人、高校教師。
    中高生に寄り添った、悩みの解決法なども語りながら、短歌を紹介されています。
     
     学校は直角の場所 
      ゆうぐれにテストひとたば持ちてあゆみく
              吉川宏志『鳥の見しもの』

     昼休み友だちがくれた
      ポッキーを噛み砕いてはのみこんでいく
          加藤千恵『ハッピーアイスクリーム』 

     嬉しくて風を殴った
      嬉しくてもう痩せたいとおもうことなく
               雪舟えま『たんぽるぽる』

     よく笑ふ親の子供は
      よく笑ふなんでもなくてしあはせなこと
               大松達知『アスタリスク』

     海に向く背中ばかりの
      海にきて海もまた後ろ姿と思う
                  小島なお『展開図』

     フォルテとは遠く離れてゆく友に
       「またね」と叫ぶくらいの強さ
         千葉聡『そこにある光と傷と忘れもの』

    馴染みやすく、優しく丁寧に語りかけながら短歌の良さを紐解いてくれます。装丁とイラストも楽しく愉快に、気持ちを和ませてくれますね。
    短歌の入門書としては良書だと思います。

  • たった31文字で沢山の情報を残しておけるとか
    心情とか情景、口に出せない悩みや苦しみも短歌に託して詠んでみようとゆうことで短歌部に入部してみたんですけど・・
    中学生向きの入門書かと思ってましたが
    どちらかとゆうと、今持ってる悩み、劣等感、人と違うことで沈んだり、マイノリティな人に向けて、そんな気持ちに寄り添って、そのままでいいんだよって言ってくれる啓発本のようでした。

    それにしても凄いと思うことは31文字の短歌の解釈がその何十倍かの文字を使ってなされてること。解釈がないとなるほどと思えないイメージ力の低さ、なんとゆうか、で、どうしたのって感じで、あれどうなってるのでしょうね。
    短歌じっーとみつめてても膨らんでこないのに

    熱湯かけると3分で膨れあがるフリーズドライなら簡単に調理できるのに、私はそのお湯を持ってないので味わえない。うーむ、結構難しい

    入部するとタンカをきってみたものの夜ごと離れる月と金星

  • 中学生が自分の可能性を広げていくためのジュニアスタシリーズの一つ
    小島なおさんと千葉聡さんが部活の顧問に扮して、短歌の紹介と人生を語るリレーエッセイのような構成。
    途中、短歌クイズや基本ルール、歌会の話などあり、入門者でも楽しめる工夫がされている。
    小島さんもおじいちゃん猫を飼っているそうです。
    イラストで登場しますよ。

    『短歌はメッセージ』
    『奈良時代の万葉集のころから、平安時代はラブレターとして流行』
    『人の想いがギュッとつまった短歌』
    『歌壇欄に載ることは、私のひみつが私を知らないたくさんの人のひみつになるような感覚』
    『たった三十一文字しかないのに、短歌は多くのことを残しておける詩』
    『短歌は、落ち込んでいるときの自分の心を容れるのにちょうどいい器』

    好きな歌
    わが庭を通りて深い闇にゆく猫の道あり昼はなき道(馬場あき子)
    きみはきみの領域を持ち日曜の草に座れば背に差すひかり(小島なお)
    こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空(小島なお)
    僕達を傷つけてまたひきよせる鏡がネットで売られていたよ(野口あや子)
    昼休み友だちがくれたポッキーを嚙み砕いてはのみこんでいく(加藤千恵)
    こころではなくて言葉で写しとる世界に燃えたがる向日葵を(笹川諒)

    海の歌は特に好き
    海に向く背中ばかりの海にきて海もまた後ろ姿と思う(小島なお)
    まだあるか信じたいもの欲しいもの砂地に並んで寝そべっている(俵万智)
    砂の城なみうちぎわにたてられてさらわれてゆく門番ふたり(穂村弘)
    大好きな人と一緒に見にいけば海はいつでもなつかしい匂い(タマスケ)

    刺激されて作った歌
    数式が解けずトイレで泣いていた休み時間はあっという間に(ベルガモット)

    • 111108さん
      ベルガモットさん、こちらもおじゃまします。
      図書館で見かけた気がするので、今度借ります!
      ベルガモットさん、こちらもおじゃまします。
      図書館で見かけた気がするので、今度借ります!
      2022/07/29
    • ☆ベルガモット☆さん
      111108さん こんにちは☆

      いらっしゃいませ。
      お近くの図書館にもあるんですね☆
      お手元に届きますように(^^♪
      111108さん こんにちは☆

      いらっしゃいませ。
      お近くの図書館にもあるんですね☆
      お手元に届きますように(^^♪
      2022/07/29
    • 111108さん
      ベルガモットさんありがとうございます(^^)
      ベルガモットさんありがとうございます(^^)
      2022/07/29
  • 〇短歌は俳句よりも“自分”に近いのかな?と思った
    〇中高生ならではの悩みや日常を短歌に落とし込んでみませんかという?
    短歌は寄り添える、あなたの抱えているものを形にできる?
    〇短歌のハウツー本ではなく、傍にあるものとして。

    1:短歌、はじめの一歩

    2:世界は三十一文字でできている

    3:自分の今を詠んでみよう

    ※紹介された短歌の中から…
    傷を無理に隠して過剰包装の小さな箱を教室と呼ぶ  山田航『水に沈む羊』
    〇ひたとした痛みを見ないふりして

    フォルテとは遠く離れてゆく友に「またね」と叫ぶくらいの強さ  千葉聡『そこにある光と傷と忘れもの』
    〇いぜん別の書籍で読んで好きだなと思ってひかえていた短歌。もう一度会えたなあと。この本の著者のお一人でした

  • 若い歌人の小島なお、高校教師でもあるちばさと、お二人による中学生くらいを念頭にした短歌入門書。年齢に関係なく、エッセイとしても心地よく読める。

  • 学校の休み時間に、病院でのちょっとした待ち時間にパラパラめくった本。

    全てのページをじっくり読んだわけではないけど、どこからでも読めるのがすごく良い。
    これなら時間がなくても読めるし、久しぶりに開いたらストーリー忘れてて始めからって展開もない。

    内容は本当に共感できるものばかり。不登校の子、無性愛者の子、LGBTの子など。
    起承転結はないけれど、ただ想いを書き連ねるというか...本当に感動した。

    学生の方にオススメ

    • 彩月さん
      学校の休み時間に、病院でのちょっとした待ち時間にパラパラめくった本。

      全てのページをじっくり読んだわけではないけど、どこからでも読めるのが...
      学校の休み時間に、病院でのちょっとした待ち時間にパラパラめくった本。

      全てのページをじっくり読んだわけではないけど、どこからでも読めるのがすごく良い。
      これなら時間がなくても読めるし、久しぶりに開いたらストーリー忘れてて始めからって展開もない。

      内容は本当に共感できるものばかり。不登校の子、無性愛者の子、LGBTの子など。
      起承転結はないけれど、ただ想いを書き連ねるというか...本当に感動した。

      学生の方にオススメ。
      2022/09/30
  • 背ラベル:911.1-コ

  • 短歌とは何か、どうやって楽しむのか、作るのか。それだけでなく、今を生きるためのツールとしての短歌、という面も見せる。
    自分でも理解できない自分の気持ちを整理する方法。そこから短歌へと繋がるのは素敵なことかもしれない。

  • 文字が少ないから触れやすく思えるんだけど、裏の意味とか考えると、実は難しいと感じる部分が増えてくる。そんな奥深い文学だと思うけど、でも気になるって人への入門編。

  • 2022 岩波ジュニアスタートブックス

    人)小島なお
    人)千葉聡

    「短歌はメッセージ」
    相聞(そうもん)~恋しい人に呼びかける歌
    挽歌(ばんか)~人の死をいたむ歌

    こころのうごきと景色・風景・気候

    短歌は歌 一首、二首
    つくることは、詠む
    詠む人は、歌人

    人)桝野浩一
    人)穂村弘
    人)岡田大嗣だいじ
    人)山田航


    生きてる歌人~教科書にはなかなか出てこなかった

    <巻末の資料>

    テレビ: NHK Eてれ

    投稿欄:新聞、月刊ダ・ヴィンチ(穂村弘)
    月刊短歌研究、月刊短歌(角川)

    入門書:
    古典和歌入門 渡部泰明岩波ジュニア新書
    短歌をつくろう 栗木京子 岩波ジュニア新書
    短歌は最強アイテム~高校生活の悩みに効きます 千葉聡岩波ジュニア新書
    しびれる短歌 東直子・穂村弘ちくまプリマー
    子ども歌人になる!短歌はこうつくる 佐藤弓生・木谷紗知子
    短歌ムックねむらない樹
    はじめて出会う短歌100 千葉聡・佐藤りえ

    大会
    全国短歌大会 現代歌人協会
    全日本学生ジュニア短歌大会 日本歌人クラブ
    全国高校生短歌大会 短歌甲子園 盛岡
    牧水・短歌甲子園 宮崎県日向市


    小説
    うたうとは小さないのちひろいあげ 2015村上しいこ


    リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ 2018こまつあやこ

    『ショートソング』枡野浩一、集英社文庫(2006年刊)


    『歌人紫宮透の短くはるかな生涯』高原 英理、立東舎(2018年刊)

    玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ2017 

    車軸 2019 小佐野彈

    映画
    乱反射2011
    滑走路2020
    世界で一番すばらしい俺2021

    コミック
    ちはやふる

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著者プロフィール

一九八六年東京都生まれ。「コスモス短歌会」選者、同人誌「COCOON」編集委員。歌集に『乱反射』『サリンジャーは死んでしまった』『展開図』。千葉聡との共著『短歌部、ただいま部員募集中!』。

「2023年 『現代短歌パスポート2 恐竜の不在号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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