少年犯罪〈減少〉のパラドクス (若者の気分)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000284561

感想・レビュー・書評

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  • 貧困率が高まり格差社会が進んでいるにもかかわらず、少年犯罪が減少傾向にあるのは何故か。

    「三丁目の夕日」から「便所飯」まで。若者の時代における息苦しさが、ここ何十年で大きく変遷してきている。

    第二次大戦後〜高度経済成長期にかけての等しく平均点を底上げする教育から、より「個性的であること」を尊重する個性主義的教育へと変化してきた。

    かつては親や学校、共同体といった体制に反抗したり、今いる環境から抜け出したいと犯罪を犯す若者から、「個性なく普通であること」に恐怖心を感じ、自分を取り巻く人間関係が全てにおいて優先した結果の犯罪へと変遷。

    かつ、他者と自己を比較することにより生じる「剥奪感」がなく、現状は努力で変えられないと、そこから抜け出すモチベーションを持ち得ない、ある意味現状に特に不満を持たない若者が増え、結果的にそれが犯罪率の上昇を抑制する要因となっている。

    非常に面白い一冊。




    る。

  • 統計、グラフ等、見やすく分かりやすい。
    1、経済成長と貧困
    2、人間関係と自由
    3、オンリーワンの彼岸
    4、幸福感のリアル

著者プロフィール

筑波大学人文社会系教授/社会学

「2018年 『談 no.112 感情強要社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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