9・30 世界を震撼させた日――インドネシア政変の真相と波紋 (岩波現代全書)
- 岩波書店 (2014年3月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000291286
作品紹介・あらすじ
一九六五年一〇月一日未明に、ジャカルタで軍事政変が勃発、半年後の一枚のスカルノ大統領が発したとされる命令書により、権限はスハルトへと移った。中国では文化大革命が起き、東南アジアにアセアンが成立し西側反共主義陣営の結束を固め、日本は大規模な経済進出の足掛かりをつかんだ。政変を主謀したとされたインドネシア共産党は非合法化され、党員は逮捕され殺され政治犯にされた。国内全土に大虐殺の嵐が吹き荒れ、インドネシア経済を担っていた華僑への迫害がエスカレートしていく。膨大な一次史料と先行研究を踏まえ、いまだ謎に包まれた事件の真相を追究し、インタビューと現地取材を通して、事件の波紋の全体像を活写する。
感想・レビュー・書評
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自分が求めていた新情報がなかったので。学術書であり、読みづらい部分もあった、
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スカルトからスハルトへ
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アクト・オブ・キリング見たので9.30事件がどのような事件だったのかどうか興味が湧いたので読んでみた。スカルノ政権末期の状況、そして9.30事件の時日本を含めアメリカや西側諸国または債権国でもあったソ連は虐殺についてみて見ぬふりをしていたということそして地元のイスラム教徒や反共産党系のギャングに軍が虐殺を援助していたことがわかった。アクト・オブ・キリングの背景を知るにはいい一冊だった。
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スカルノは左傾化していったが、西洋諸国が離れていく中で二本だけが例外的にパイプを持っていた。
中国寄りとみなされた人たちはスケープゴートとされた。
帰国した華僑の多くは中国で文化大革命の犠牲になった。
ASEANは反共色が強かったがインドネシアは非同盟を貫いた。
中国文化、中国語での教育が禁止された。9・30事件までは中国語学校が600校あって、27万人が学んでいた。 -
著者同様、同時代に生きてきたはずなのに、あまりに知らないインドネシア。
報道されるこもなかったのは、冷戦時代の仮想敵国同盟国でもなく、西側陣営であったことも幸いしたのでしょうか。
読後もまだスハルトがそんなに悪い人であったように思えないのはどうしてだろう。