- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000613156
作品紹介・あらすじ
マックス・ウェーバーは、社会科学全体の創始者の一人である。その因果分析の方法論が、百年後の社会科学における最先端の展開や論争、統計的因果推論等の手法にそのままつながっているとしたら? それが文科系/理科系の分類を超え出ているとしたら? 従来のウェーバー像とは大きく異なるその学問の姿を明らかにする。
感想・レビュー・書評
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第3回のDigRoomで対象書籍として拝読いたしました。(DigRoomとは心理学に関する小規模の研究会です)
正直,私が読むにはまだ早すぎました。まだまだ読書が足りないなと思わされました。というのも,ウェーバーの学説,科学論,経験的な分析など多岐にわたるトピックを広大な視点で論じているため,それぞれについてある程度の見識がないとなかなか本書を味わい尽くせないと感じたからです。少なくとも科学論,経験的な分析は心理学にも関連することであるため,もっと知識を付ける必要があるなと強く感じました。
それでも何とか論旨を追ってみると,あとがき含めて407pある大著の軸=適合的因果論については決まっており,それをもとに思索・分析が展開されているため,本書の概要はつかめていると思います。
適合的因果論をもとにして,
・ウェーバーは法則科学/文化科学とは異なる位置づけを社会科学に与えた
・社会における因果を経験的に同定する方法を考えた
・単一事例でも数量でも同様の枠組みで因果を経験的に同定できると考えた
などがあるかなと思いました。
『社会科学と因果分析』読書会(http://socio-logic.jp/readinggroup/2019_SatoToshiki.php)でも本書の読書会が開催されており(読書会の記録もある!),参加者による論考もすでに刊行されています。
ある人が考えた論考(本書)から学び(読書会),それを批判的に継承していく(参加者による論考),という知の発展の傍流に参加できて感謝しています。本流に参加するためにも,本書を批判的に読めるようもっと学ばないといけないなと思いました。頑張ります。
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ウェーバーの方法論に大きな影響を与えたのはクリースという統計学者であることが、丁寧に説明されていた。日本の社会学ではあまり触れられてこなかったらしい。文献や論文の細かいところまで注意が向いていてすごいと思った。
因果関係の同定の説明は、統計学の知識がないため、理解しにくかった。それにしても、因果関係の同定には細やかな配慮が必要で、自らが採用する同定の方法の限界を認識しておく必要があるようで、この点を今後意識する必要があると思った。
また、社会学の学説も知っておいた方が理解しやすいと思った。
あと、第18回の事例研究への意義のところ、再読して、ちゃんと理解したい。 -
[出典]
「社会学の新地平:ウェーバーからルーマンへ」 佐藤俊樹 -
系・院推薦図書 総合教育院
【配架場所】 図・3F開架
【請求記号】 301.6||SA
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/448413 -
えらく難しい本であったが、ウェーバーが偉大だということと文系理系の区別は無意味だということがよく分かった。
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カテゴリー論文などを読むと、統計学を前提にした概念がむき出しのまま登場してビックリする。そうすると、ウェーバーの中で計量的な研究はどういう位置づけになってるんだろうと疑問も当然の如く湧いてくる。本書はそんな素朴な疑問に答えた本。
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東2法経図・6F開架:301.6A/Sa85s//K
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筆者によるマックス・ウェーバー論、社会科学論。時折、目から鱗なのだが、その間が辛い。。。
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求めていた情報ではなかった。