- Amazon.co.jp ・本 (539ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000613453
作品紹介・あらすじ
今も忘れられない幼少のあの日、バラバラだった一字一字が瞬時につながり、文章が「読めた」瞬間の感激──。絵本から童話、小説、そして広大な書物の海へ。本を読むことはどれほど愉しいことか。著者の書評はいきいきとした好奇心と素直な驚きにあふれ、読者を書棚の前へと誘なう。三十年間の書評を一冊に編む決定版。
感想・レビュー・書評
-
中国文学に興味を持ち始めたばかりのわたし。myjstyleさんがおすすめしてくださった本のなかに、井波律子先生のものがありました。それがとても面白くて読みやすく、今も「中国の五大小説 上・下」をちょっとずつ読んでいるところです。もっと井波律子先生の書かれた本や、おすすめされる本を読みたいなと思ってたところ、myjstyleさんがレビューを書いておられたこの本を思いだし手に取りました。
この書評集には、井波先生が1987年から2018年までのおよそ30年間に書かれた、〈書物にかかわる文章〉のほぼすべてが収められている。ざっと数えたところ200冊以上の本について書かれているので、大変分厚い。
ほとんどは書物についての書評だが、そのほか、解説や書物に関連したエッセイなども収められいる。「本を読むことは、どれだけ愉しいことか」という気持ちが伝わってくる井波先生のエッセイ、どの本に対しても好奇心を持ち、愉しそうにいきいきと書かれた書評、どれをとっても大変ワクワクするものだった。
もちろん、中国に関連した書物の書評が多いのだけれど、それだけに留まらず、歴史、ミステリ、文化、小説、随筆……あらゆるジャンルが、日本や欧米などの書物からも紹介されている。
それにしても、わたしにとって困ったことになったのは、今まで知らなかった世界観に触れるものばかりで、目移りして仕方がないことだ!
どれから読もうか悩んだのだけど、中国文学のなかでも「中国奇想小説集」から入ったわたしにとっては、やはり奇想天外な物語が気になる。「天怪地奇の中国」「桃源郷の機械学」「宇宙を呑む」「山海経」「聊斎志異」から、まずは読んでみようか。
あと、古い日本の絵巻に描かれたさまざな鬼の像を素材としながら、鬼とは何かを追及した「鬼の宇宙誌」も気になるし。
また井波先生はミステリがお好きらしく、ケイト・モートン「忘れられた花園」や「湖畔荘」をはじめとして、何冊ものミステリを紹介されている。江戸川乱歩「幽霊塔」は宮崎駿口絵の岩波書店のものを紹介しておられ、かなり興味をそそられた。タニーラ・コマストリ=モンタナーリ「剣闘士に薔薇を」、キャロライン・グレアム「空白の一章」は全く知らなかった作品なので、ぜひとも読んでみたい。
これだけピックアップしてもまだまだ面白そうな本が書評集のなかで待っている。
やばい、やばい。やばい書評集に手を出してしまった。 -
井波先生の43才から72才まで30年間に及ぶ書評を一冊に上梓。フィールドである中国文学や中国関連とお好きなミステリーが多めですが、幅広いジャンルから紹介されています。濫読と自称されるだけあって読書量は膨大です。しかもそれが、タイトルどおり愉しんで読んでおられるので、あれもこれもと、つられて読みたくなる本が山積みになってしまいました。遅読の凡人にはなかなか罪な話です。でも、最後までとても楽しく読ませていただきました。
-
myjstyleさん、おはようございます。
「紫式部ひとり語り」のレビューで、いただいたコメントに触れられていた「紅楼夢」のことが気に...myjstyleさん、おはようございます。
「紫式部ひとり語り」のレビューで、いただいたコメントに触れられていた「紅楼夢」のことが気になって、最近中国の古典文学などにアンテナがビビビっと向いてきました(まだ向いているだけですが……)
そこで、myjstyleさんが「山月記」のレビューで書いておられた、井波律子先生のこの書評集を図書館で借りてみました。
とても面白いですね!
そして愉しい!
このなかから、少しずつ中国に関連した書物に触れていきたいなと思ってます。
でも、それ以外のジャンル本も興味深くて……
なので、あちこち寄り道しながらになりますが、この書評集を参考にして読んでいきたいと思ってます。
myjstyleさんのおかげで新しい楽しみができました。
ありがとうございます(*^^*)
2020/09/02 -
地球っ子さん コメントありがとうございます。
読んでいて読書の愉しさが伝わる書評集ですね。また、井波さんの読みが深くて著者の考えや思いを手...地球っ子さん コメントありがとうございます。
読んでいて読書の愉しさが伝わる書評集ですね。また、井波さんの読みが深くて著者の考えや思いを手に取るように理解されているのは羨ましく思います。
私のレビューがきっかけで中国系に関心を寄せて頂いたとのこと、興味のフィールドが重なり広がるのは嬉しくまた、光栄なことです。
いきなり中国古典もいいのですが、まずは小品から。同じく井波さんのアンソロジーによる「中国綺想小説集」はいかがでしょう。古今の伝奇小説を集めたもので、残暑の折にぴったりではないでしょうか。また、中国小説史を俯瞰する新書版「中国の五大小説」(井波律子著)も読みやすくておすすめです。2020/09/02 -
myjstyleさん、お返事ありがとうございます!
そうなんです。
中国古典など、今のわたしにはハードルが高そうだな……とも少し心配...myjstyleさん、お返事ありがとうございます!
そうなんです。
中国古典など、今のわたしにはハードルが高そうだな……とも少し心配してました。
いきなり転びそう……てか、確実転ぶな。
それに紹介されている本も読みたいのですが、それに加えて井波律子さんの文章に魅力を感じ、井波さんの著書も読んでみたくてたまらなかったのです。
そこにmyjstyleさんがアドバイスをー!
もう、さっそく図書館に予約しました。
ありがとうございます。
井波さんの著書もたくさんあることがわかったし、中国系はもう生涯かけて読んでいくしかないなと、楽しみでたまりません。
2020/09/02
-
-
読みたい本がごっそり増える。
-
中国文学、歴史小説、中国史、評伝、ミステリーなどなど、多岐にわたるジャンルの書評をまとめたボリューム感のある一冊。何しろ約30年分(1987~2018)もある上に、一冊の本に対し何冊もの文学作品や歴史書等がひもづけられていて、読んでも読んでも尽きることのない本の世界が広がっていく。特に中国の古典、歴史に関するものが多く取り上げられているので、中国文学史ガイドとして手元に置いておきたい。
<メモ>袁枚『随園食単』(岩波文庫)、倉本四郎『鬼の宇宙誌』(平凡社ライブラリー※品切)
井波律子の著作を読めば、また読みたくなる本が増えそう、、、積読中ですが「奇人と異才の中国史」と「一陽来復」が猫的お勧めです、、...
井波律子の著作を読めば、また読みたくなる本が増えそう、、、積読中ですが「奇人と異才の中国史」と「一陽来復」が猫的お勧めです、、、
そうなんですよo(>∀<*)o
読みたくなる本がいっぱいです。
おすすめの2冊も読んでみます...
そうなんですよo(>∀<*)o
読みたくなる本がいっぱいです。
おすすめの2冊も読んでみます!
ありがとうございました。
Good!
Good!