ジャズピアノ──その歴史から聴き方まで(下)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000616133

作品紹介・あらすじ

ジャズ演奏を後ろから支えるピアノを手掛かりに、まったくあたらしい切り口からジャズの歴史をたどる。印象論を越えた、具体的な聴きどころ、鑑賞のヒントに満ちた、類書のないジャズ論。下巻は、ハードバップの展開から現在までの歴史をたどり、ジャズピアノのテクニックを解説、さらに様々編成の中にピアノを聴く。

感想・レビュー・書評

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  • 日本文学・文化の研究者でありジャズピアニストでもある著者が、ジャズピアノの歴史と聴き方を解説する通書であるが、これを読んでジャズピアノの耳が間違いなく鍛えられ、聴き方が変わるという稀有な体験ができた。

    本書の優れたポイントは単なる印象批評が多いジャズ批評・評論の世界において、「このピアニストのこの録音のこの曲の何分何秒のここがすごい」という聞きどころを逐一解説しているところにある。しかも1曲の中でそうした聞きどころを数箇所〜十数箇所まで提示してくれるため、必然的に読者は同じ曲を何度も聞き返しながらこの解説に記されて演奏の凄みを耳で実感することができる。紹介されている大半の音源はSpotifyにあるため、それを聴きながらひたすら素晴らしいピアニストの凄みに触れる体験は至上の体験だった。

    上下巻で1万円と決して安くはないが、自らの耳がこれだけ鍛えられるという稀有な体験を得られるとすれば、あまりにも安すぎる、とすら感じた。
    ジャズピアノに興味がある人のみならず、ピアノという楽器に触れている人、万人に強く推奨できる一冊。

  • 「スラー」とかの用語がなんか微妙な感じがあるんだけど、とりあえずジャズピアノを聞く入門としてもよい本なので読みなさい。モラスキー先生昔プロ/セミプロなのかな?

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著者プロフィール

1956年生まれ。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学研究科博士課程修了(Ph.D.)。現在、早稲田大学教授。専攻は日本の戦後文化史、日本近現代文学。
著書に、『戦後日本のジャズ文化』(青土社、サントリー学芸賞受賞)、『ジャズ喫茶論』(筑摩書房)、『日本の居酒屋文化――赤提灯の魅力を探る』(光文社新書)などがある。

「2016年 『日本文化に何をみる?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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