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- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000923484
感想・レビュー・書評
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『判断力批判』第1部を収める。「趣味」の批判的解明が主題であり、共通感覚sensus communis論など現代の哲学者にも注目される興味深い議論が展開される。しかし、基本的には、判定能力としての趣味の観念論が成立するためには、超感性的なものが想定されなければならないとされ、実践哲学のためのヌーメノンの想定というカント哲学の基本軸が維持されている。この基本軸こそが、第2部で客観的目的論という原理に関する議論を展開するための伏線となっていることは見逃されてはならないだろう。アーレントによる、『判断力批判』を政治思想的に理解しようとするプロジェクトを吟味するうえでも、カントが道徳的なものに向けて議論を展開している点は念頭に置いておきたい。
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