- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001108279
感想・レビュー・書評
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まず作者がサトクリフだし、「第9軍団のワシ」を手こずって読んだし・・・で恐る恐る読みだしたのですが。
いや~よかった!さすが、サトクリフ!!(手のひら返しではなく、最初から尊敬してます)
アクイラの心情や、大人になるにつれての心の在り方もわかったし、彼に影響を与えた妹、妻の書き方も良かったし、息子との関係性もあるあるって思えたし。
私がサトクリフを理解できるおとなになったってことかなあ。ともかく、脱帽の作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4.14/53
内容(「BOOK」データベースより)
『若い軍人アクイラが、いよいよ衰退したローマが四百五十年もの歴史に終止符をうち軍団をブリテンから撤収する時、軍団に加わってローマに中世を尽くすか、自分の家族のいるブリテンにとどまるかその選択に苦しんだあげくついに脱走し、その後蛮族に父を殺され、妹をさらわれるなど、苦難の数々を経験する物語。』
冒頭
『丘の斜面の林のふちで立ちどまったアクイラは、下のほうを眺めわたした。目のまえには、大きなむきだしの丘陵がうねっており、そのふもとに農場の建物がみえた。』
原書名:『The Lantern Bearers』
著者:ローズマリ・サトクリフ (Rosemary Sutcliff)
訳者:猪熊 葉子
出版社 : 岩波書店
単行本 : 429ページ -
生きる目的を探して。
すべてを無くし、生きる目的にしてきたものも失い。
なお生きる目的を探して。
見つけたのは家族。
主役は男性だけど、女性の悲しさと強さもしっかり描かれているように思います。
本意ではないどころか、強引に妻とされ、子を持たされた女性が、それでも子を愛し、妻としての自分に存在意義を見出し生きていく。
私はどうしていいか分かりませんでした、あの部分を読んだ時に、とにかく落ち込むしかなかった。
私もあの時の主人公と同じように、真っ暗になった。
そこからどう生きていくか。
何を目的に、その過去にどう折り合いをつけて、先に歩くのか。
結局敵と同じことを自分もして。
それに自分はどう向き合っていくのか。
自分の家族、か。
自分の子、か。
遠いなあ。
小学校高学年なら読んでいけます。
多分冒険もの、ファンタジーのように読むことになるでしょう。
でも、私とは感じ方が全然違うでしょうね。
私が大人だからこそ面白いのかもしれない、このお話しは。
子供がどう感じるか、私はこの本を自分の中で処理するのに必死で、そこまで考える余裕ができませんでした。 -
NOTE: シリーズ名なし
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日本の蜜蜂は花の時期が長くてたくさんあるからおっとりして、西欧は花の時期が短いので、余所者が入ってくるとまずそれを排除する。ということを何かの本で読んで、蜜蜂にも国蜂性(!?)があるのだと思ったことがある。歴史の教科書に書かれた一行の民族の大移動も、食糧を求めての命をかけた闘いだったと思うと、とても重い。現代の日本に生まれてよかったと思い、理想論かもしれないけれど、タイトルのように希望があって良かったと感じた。
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いがみ合う者と共に長く生きてしまえば
愛や愛着が生まれてしまう。
まさに真っ暗な時代に灯一つを掲げて進んでいくような物語。 -
ストーリーテリングのすばらしさもあるのだけれど、読了後に残るこの重厚感はいったい何なのだろう。指差すことができない何か。27 May 2007
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これほど力のある物語にはそう出会えない。素晴らしい本です。
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読む予定のもの