- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141375
感想・レビュー・書評
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有名だった本書、読みたいリストにいれたまま二年以上経って、やっと読み終えた。
勝手に中学生向けくらいのヒューマンドラマの本だと思っていたけど、ぜんぜん違って、四人兄妹の楽しい歴史ファンタジーだった。内容自体は小学校高学年でも読めるけど、イギリスの歴史がわかるとしのほうが面白いかも。
ナルニアより四人兄妹の性格も好感がもてた。
男児二人が女児二人より優遇された描写が多い気もしたけど、ピーターは主役だし、作者の息子がモデルのハンフリも準主役だから仕方ないか。
はじめは、わりと短い話がプツプツと続き、なかなか読み進められず、どうしようかと思っていたが、マチルダの再登場でやっと面白くなった。
現代イギリスにきたマチルダが、お風呂をとてもきれいで素敵な部屋だと気に入る場面がすごく良かった。
しかし、さすがに石井桃子訳のかたさも感じてしまった。安定感はあるけど、、。
なんてこってしょう!という、シーラの台詞も今は改定したほうがいいかも。
ラスト、きちんとファンタジーの終わりが作られていて感心してしまった。寂しいわけでもなく、子供時代にピリオドを自らつけていく行動は読んでいて爽快感すらあった。「ピーターパンとウェンディ」のラストに不満があった私は、この本の終わり方が好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上巻に続いてワクワクしながら下巻へ。下巻のお話の展開が素晴らしくてあっという間に読み終わってしまった。脇明子さんの解説に「魔法のお話をただ書くだけなら簡単でも、読者が本当にその魔法を信じたくなるように書くのは、容易いことではありません。ヒルダ・ルイスは魔法にふさわしい子どもたちをしっかり描くことで、それを見事にやってのけたのです。」とあったが、なるほど、だからこんなにも物語がしっかりとしていて大人が読んでも惹きつけられ、4人の子どもたちと自分が冒険しているような、あるいはしたような読後感を得られたのだなぁーと思いました。少年文庫は、大人にとっても夢のある、そして夢中になれる文庫です。この物語の世界にどっぷりとはまれた自分にも感動。
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いろんな世界に行ける本。
子どもの頃に読みたかった。
けど、イギリスの話が多いので、伝わりにくい。調べながら読み進めると最高! -
ピーターが偶然見付けた店で買った古い船のおもちゃは、魔法のとぶ船だった。ピーターたち四人のきょうだいは、とぶ船に乗り時代を超えて冒険するのだった。
古代エジプトやウィリアム征服王時代、北欧神話の世界にまで冒険するタイムトラベルもの。各時代の様子もこと細かく書かれており、そのこと自体も楽しいです。
過去の世界から現代(と言っても今から80年近く前ですが)に連れてきた少女が、つらく厳しくとも自分は自分の時代で生きていくと告げる場面が印象的です。
また大人になるにつれて魔法が遠い思い出となり、本当にあったことかどうか疑わしくなって忘れていく。そして自ら魔法と別れを決意することまで書かれています。そこには現実的なだけでない温かみがこめられています。この物語が元々作者が幼い息子のために語ったものであるということに由来するのかも知れません。 -
現代のイギリスにすむ少年少女が、ふしぎな「とぶ船」を手に入れて、時間旅行にでる物語。
やはり、歴史的、文化的背景を共有してないと、つらい。 -
マチルダがやってきた章は面白かった。ロビンフッド、ノルマン人の頃など、ちょっと歴史に疎いと細かいところは良くわからないけど、タイムスリップ的なテーマは面白い。終わり方も良かったなぁ。