はてしない物語 下 (岩波少年文庫 502)

  • 岩波書店 (2000年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784001145021

みんなの感想まとめ

物語の中で主人公が本の世界に入り込み、変化していく様子が描かれ、彼の成長と葛藤が深く心に響きます。バスチアンはファンタージエン国を救うために冒険を繰り広げながら、力を手に入れることで傲慢になり、元の世...

感想・レビュー・書評

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  • 主人公が文字通り本の中に入り姿が変わってから物語を想像していく、何かを願えば人間だった頃の記憶を失う、話が進んでいくうちに周りが見えなくなり、独裁者の様になっていく様は怖さがあった。その後の展開では明るい方に解決していきます。
    作者が話していた「希うことが大切だ希えばなる」という言葉をこの本を通して語っていたのだなぁと感じたし。自由に創造し遊ぶこととは?の答えがあるように思えた

  • 上巻は面白かった。
    アトレーユの様々な冒険を楽しむことができた。
    どうやってファンタージェンと人間界が繋がるのか(どうやってバスチアンがファンタージェンに行くのか)も楽しみに読むことができた。

    下巻は正直つまらなかった。読むペースが遅くなってしまった。最後のバスチアンが人間界に戻るところは一気に読めたが。

    ファンタジーの名作として知られる物語だが、読むほどではなかったな、と思った。もっと若い(子どもの)頃に読めば違った感想が持てたのかも知れない。

    まあ、「モモ」も読んでみようとは思う。

  • ファンタージエン国を唯一救うことのできる勇士として物語の中へ飛び込んでいったバスチアン。
    彼はすらりとした美少年に生まれ変わり、誇り高く毅然とした強さで、合流したアトレーユとフッフールと仲間になり困難を次々に乗り越えてゆく。
    けれど宝のメダル、光り輝く"アウリン”の魔法の力に頼りすぎる代償に、元の世界の記憶は次第に失われていく。
    強さを手に入れるにつれ横柄で傲慢になっていったバスチアンは、自分は「ファンタージエン国の帝王になるのだ」と宣い、帰れなくなるぞ!と忠告してくれるアトレーユとフッフールをとうとう追放してしまう。

    冴えないいじめられっ子だった少年が、物語の世界で勘違いして暴走していく姿には保護者のような視線で見守ってしまった。ただファンタジーに浸りきることはこの年じゃもう難しいのかなぁ…なんて思いながら読んでたんだけど、終盤の展開では怒涛のように金言の嵐がやってきた。特にアイウォーラおばさまと店主のコレアンダー氏が素晴らしい大人だった。迷い、悩み、間違い、失敗するバスチアンという少年をあたたかく導くことができる大人。愛することができるという悦びを教えてくれる。

    「そこへ通じる道なら、どれも、結局は正しい道だったのよ」
    「何一つ失われはしないのよ。」おばさまはいった。「みんな、変わるの。」

    「ほんとうの物語は、みんなそれぞれはてしない物語なんだ。」
    「ファンタージエンへの入り口はいくらもあるんだよ、きみ。そういう魔法の本は、もっともっとある。それに気がつかない人が多いんだ。つまり、そういう本を手にして読む人しだいなんだ。」
    「新しい名前をさしあげることができれば、君はまた幼ごころの君にお会いすることができる。何度でも。そしてそれは、そのつど、はじめてで、しかも一度きりのことなのだよ。」

  • 「汝の 欲する ことを なせ」
    アウリンという何でも叶う宝のメダル。望みを現実にしてしまう力を手に入れたバスチアン。
    ファンタージエンは、人間の欲望、妄想、希望、絶望、さまざまな感情から作られた世界。
    だが、欲望が満たされると少しづつ大事な過去の何かが消え去ってしまう。
    さらに、いつの間にか身についていた慢心さが、慕ってくれていた仲間までも切り捨ててしまう。
    独りぼっちになって初めて自分が真に欲する大切なことに気づく。
    そして、物語はハッピーエンドで完結した。

    と、思いきや、どういう意味?という謎めいた最後の二行が「はてしない物語」を終わらせないものにしている。

  • バスチアンがファンタージエンの世界に入り込み、物語の中での冒険が始まる。

    わくわくするような色んな風景や生き物が出てくるけど、ただ楽しいだけでは読めない。
    ファンタージエンでバスチアンの望みが一つ叶うごとに、バスチアンは現実世界での記憶を一つずつ失くしていく。

    記憶を失うごとに、何かを望み続けることが難しくなっていく。
    力や権力を得るごとに、自分が本当は何者だったのか分からなくなっていく。

    本当にものすごい設定だと思った。
    最近流行りの異世界転生ものとは根本的に違う。強いメッセージ性を感じる。

    物語の世界は、現実と対立するものではなく、現実をより豊かにする力を持っているはず。
    想像力なくして人間の発展はないのだ。

    手元に置いておいて、何度も読み返したくなる名作。

  • 今まで読んだことがないストーリー。上巻とは全く異なり、人間臭く欲深い部分が露呈していく展開。最後まで読むと児童書ではあるが大人が手に取るべき本だと感じた。

  • 好評と不評のレビューが極端なのを見て改めて感心。
    ミヒャエル・エンデに生み出されし古典であり、駄作ではないのに、無条件でいいものともされない不思議。
    読者と同じ土俵まで降りてきて、読者と本で取っ組み合いをし始める感じですよね。美しい世界のファンタジーのはずなのに、気軽には読み切らせてくれません。上下巻読み切るのに結局3日かかってしまいました。上巻は半日、下巻が2日半。

    ファンタジー物で明確な悪役を作らず、勧善懲悪でなく話をまとめ上げた作品を他に知らず、ああ、これが空想の世界の現実、とノンフィクションを見る気持ちです。空想によって救われる生き物は空想によって苦しみ、欲しいと空想するものは毒であり、真に自分に必要なものは暗闇で土を掘り続ける苦行からしか見つけられない。そんな話がどうして面白いでしょう。でも真実なんだよなあ。

  • さすが名作、バスチアンがいい思いばかりする場面も反転して辛い思いをする場面も、どちらも目を離せなかった。
    訳者のあとがきに、(単行本として出す時は)装丁にもこだわっていたというエピソードがあったので、それも見てみたかったなぁと思う。文庫版は文庫版で、CMに入る直前のドラマのようにいい所で上巻が終わるのもよかった。
    エピローグのコレアンダーさんとバスチアンのような、共通の読書の思い出を持つ友だちを作りたくなった。

  • いじめられっ子のバスチアンは、いじめっ子たちから逃げるために飛び込んだ古本屋で一冊の本と出会う。本の中では勇者アトレーユが国を救うために旅を続けていたが……→

    子供の頃にテレビで見た「ネバーエンディングストーリー」の原作だろうな?という気軽な感じで手に取ったんだけど……全然ちがーう!!あの映画は上巻にオリジナルエンディングをつなげた感じ?みたいで、物語としては序章やんってなった。
    たぶん、これは下巻が本番。上巻は王道の冒険ファンタジーで

    下巻がガチのガチなんよ(何が?と言われるとわからんが笑)
    私はもうね、アイゥオーラおばさまと出会えただけでね、この物語を読んでよかったって思えたよ。おばさまの言葉は泣く!!人生後半戦の大人に響くぅぅぅー!!
    児童書なんだけど、大人が読むともっと良いよこの物語は。ヤバい。

  • アウリンを手に入れてから、だんだんと自分の欲するままに行動してしまう主人公が悲しい。色彩が豊かで、想像力が掻き立てられる風景が美しい。上巻の引きつけ方!
    最後の古本屋店主との会話がいい。本でなくても、魅せられて引きつけられて、ファンタジーの中で自分を体験すること。自分を捉え直すこと。そういった体験を語りあえたりする仲間がいること。

  • 映画『ネバーエンディングストーリー』の原作本後半。
    しかし、映画になったのは前半部分のみで、この後半部分は私にとってまったくの未知の世界でした。
     
    上巻は映画を観たことある人にはおなじみ、アトレイユとフッフール(映画ではファルコン)の冒険譚なのですが、この後半は本を読んでいたバスチアンの冒険譚。
     
    想像もしていなかった展開で、読んでいるこちらとしてはすごくもどかしい。
     
    ミヒャエル・エンデが描きたかったという世界。
    『モモ』もそうですが、我々に訴えかけてくるメッセージがとても強い。
     
    映画『ネバーエンディングストーリー』を観て感動した人にはぜひ読んでほしい1冊です。

  • 会社の同僚と、エンデの話になった。私にとってエンデは、小5の頃に出会って夢中になって読み漁った思い出のある作家であるけれど、大人になって『モモ』を読み返して以来、疎遠になっていた作家でもあった。同僚が『はてしない物語』を絶賛している話を聞きながら、子供の頃、自分もバスチアンのように物置で本を開きながら本の世界に入って冒険できたらどんなにいいだろうと憧れたことを思い出し、本棚から久しぶりに引っ張り出して25年ぶりに読んでみた。
    上巻はとても楽しくワクワクしながら頁をめくっていたのだが、下巻になって、読み進めるのが苦しくなった。バスチアンの姿に、自分自身を重ねてしまったのだ。誰かに認められたい、人から羨ましいと思われたい、美しくなりたい、賢くなりたい……。子供の頃はそんなことも考えず純粋に冒険譚を楽しんでいたと思う。でも大人になって、どれだけありのままの自分をそのまま認めて愛することが難しいか、知ってしまった今では、バスチアンの苦しみがより身に染みてしまった。そしてバスチアンが旅の終わりを迎え、生命の水にたどり着き、現実世界に帰ってくるシーンでは気づいたら自分のことのように泣いてしまった。私自身、今の自分自身を、ありのままに見つめて、愛せているだろうか?
    確実に小5の私はそんなことを思わず読んでいたと思うが、それでもあの頃もこの本を読んでエンデにハマったのは事実で、あの頃ファンタジーエンを夢中に冒険してた少女が大人になって、同じ物語を全く違った目線で楽しむいい経験ができたと思う。今読み返してよかった本だと思う。
    蛇足だがたまたまこの前に読んだ本がワイルドの『ドリアングレイの肖像』だったが、まさかの同じような題材の本(自分自身の内面に目を向ける本)を立て続けに読むことになり、本と本がリンクする不思議も久しぶりに。というよりもどちらも自分のお気に入りの本のため、自分の好みなのかもしれないが。

  • 下巻は冒険からクライマックスのような盛り上がり。「行け行けバスチアン」とわくわくしながら読み進めるのですが、すぐに解決めでたしめでたしとはなりません。
    ああバスチアン、そっか…となりますが
    アトレーユの奮闘のおかげもあり、バスチアン大成長。
    ラストはちゃんと本返しに行けて私は安心した。それからまた胸アツな展開があって、最後にまだやってくれるんか!となりました。

  • 面白かったー。途中から先を知りたすぎてかっ飛ばして読んでしまった。
    幼馴染の女の子とか伏線かと思ったら違った。幼ごころの君が悪女なのかとかいろいろ予想しながら読んだけど、投げっぱなしで回収とかされなかったのは敢えてなのかな。
    上巻のほうが完成度は高かったと思うけど、結末はやっぱり泣いちゃった。アトレーユがとてつもなくいいやつ過ぎて、バスチアンが気の毒。

  • これは下巻の迫力がすごかった…。映画は上巻のみだと聞いていたからあまり期待していなかったけれど、一番大事なところは下巻にあると思う。人間の世界に戻っていくところ。いろんな経験をして、本当にひとまわり成長して戻っていく。そして私も、この読書で同じような経験をする。そして成長をする。この本は特に読書好きの子どもや愛読家にはたまらない作品だ。本への愛も感じる一冊。

  • 小学生の頃、本屋で見た、あかがね色の表紙の分厚い本にあこがれて、何年生の時だったか忘れたがとうとう買ってもらって読んだ。たぶん、生まれて初めて読んだ長編小説だったと思う。こんな分厚い本を読むなんて自分はすごい、と思えた。そういう思い出を『はてしない物語』に持っている人は、少なくないんじゃないだろうか。
    あかがね色の表紙のあの本は、いつのまにか失くしてしまった。大人になってからも久しい今、ふいに、はてしない物語、という言葉を思い出して、けれどストーリーは思い出せず、太ったさえない男の子、学校の屋根裏、白い竜、といったイメージだけが浮かんだ。岩波文庫で出ているのを見つけて買った。あかがね色の布のカバーじゃないけど、仕事に行くまでの電車の中で冒険にでて、仕事に疲れて帰ったあと、布団の中で冒険にでるのは、楽しかった。このところ、現実の生活でしんどいことが続いていたけど、はてしない物語を旅している間は、はらはらしているのに心安らかでいられた。
    持ち歩くなら文庫本、と思って岩波文庫を買ったけど、読んでしまうとやっぱりハードカバーの、あのあかがね色の布の表紙の本がほしくなる。

  • 30年ぶりの再読。30年前に購入した単行本は大きくフォントも読みにくかったため、岩波少年文庫で読了。
    下巻に入り読むスピードがやや失速してしまいました。バスチアン、アトレーユ、フッフールの関係がモヤモヤ。アウリンを授けたまま会えなくなる幼心の君もどうかと思うよ…。元帝王の都とか、ファンタージエンの悪意さえ感じたのは穿ち過ぎかなぁ?
    それでもやはりアトレーユが全てを引き受けた場面は感動したし、現実世界でバスチアンが父親と再会できた時には心底ホッとしました。
    やっと読めたという気持ちと、読み終えちゃったという気持ちが混ざって、なんとも言えない余韻に浸っています。

    • だいさん
      モモは再読しないのですか?

      最近のレビューいくつか読ませていただきました。おもしろかったです。
      モモは再読しないのですか?

      最近のレビューいくつか読ませていただきました。おもしろかったです。
      2015/02/28
    • はこちゃんさん
      お返事が大変遅くなり申し訳ありません。『モモ』再読しています。評価の高い『モモ』ですが、個人的にはちょっと説教くさくて(^^;、私はこちらの...
      お返事が大変遅くなり申し訳ありません。『モモ』再読しています。評価の高い『モモ』ですが、個人的にはちょっと説教くさくて(^^;、私はこちらの方が好みです。エンデ自体が説教臭いと言う人もいますけどね(^_-)-☆
      2017/11/23
  • ファンタージエンに行ったバスチーユの物語。危うさを感じながらバスチーユの物語を読み進める。バスチーユの考えや判断がだんだん良くない方に傾いている不穏さが満ちてくる。スターウォーズのアナキンがシスに堕ちてしまうところに似て、苦しい。どうしてこうなってしまったんだろうと思ってももう戻れないところに来ている。しかも多くのことを忘れてしまっている。どうやって人間の世界に戻れるのかわからない。わからないままにどこへ向かえばいいのか、何をなせばいいのか、投げてしまいたくなるような世界。バスチーユとともに旅を続けるアトレーユとフッフールが最後は助けてくれるが、やや呆気なさも。あの辛い辛い辛いトンネル部分が面白さになる。

  • 上からの下は心の底からワクワクしました。望みを叶えるごとに自分を失っていくバスチアンが見てられなくなってくるのですが、最後の最後でこの本のテーマ「本当に大切なもの」に気づいた瞬間に、この本が私にとって特別な本になりました。結末がとても良いです。

  • 上巻の胸熱展開から一転、めっちゃしんどい展開が続き何度も中断しました。が、最後まで読んで良かった!
    児童文学として有名ですが、私は今このタイミングで読めてよかったと思っています。

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