2004年頃、巷では「岩窟王」やモンテ・クリスト伯」が大人気でした。
ある俳優さんが舞台でやれば見に行った友人がいましたし
アニメ化されて話題になっているというではありませんか!
そして他方向からは、職場の本好きな人が「改めて読むとすごく面白いのよ」と熱烈支持!
これは読まなくてはならないのか!と思いようやく読み始めたのが今月(笑)
子どもの頃にさんざん読んだり、見たりしているから今更感があったのだけど
職場の人の勧めにより、岩波ジュニアにしてみた。(文庫は長いし字が細かいから)
面白い!ザッツエンタテイメント!デュマはもちろん「三銃士」を愛好しているし、どんな作家か
わかっていましたが、こんなに面白い作品だなんて!
エドモンド・ダンテスの前半の悪夢・地獄のような境遇にひたすらハマり、
復讐のノロシがあがってからはスリルと達成感。
ダンテスの復讐相手の子ども世代の人間模様の行方も気になる。
アルベールとメルセデスの人物造詣もよかった。この2人がいて救いになる。
モレルさんとヴァランチーヌも。悪党ばっかりじゃ心も疲弊します。
これなら文庫読んだら良かったか!?
ダンテスも冷徹に復讐を遂行しながらも、罪のない小さい子どもの命が奪われたと知ると
その信念が揺らぎます。そこがまたいいんです。そうであって欲しい。
(でもその子が死んだのはダンテスのせいでないと思う。
我が子可愛さゆえにトチ狂った母親のせいだと思う。そういえば、この母親がおかしくなるのも
元はといえば、先妻の娘だけが、両祖父母から潤沢な財産をもらえるのに、自分の息子には
少しの財産しか行かないことを苦に思ったのが原因。せめて血の繋がった祖父の方が
平等に財産を上げていれば防げたかも。可愛がり過ぎるということの結果の一つかも)
罪をおかしたものが、その報いを受けること。
人間誰しもが罪を犯すことがなければ、そんな事を考える必要もないけど
世の中には本当にひどい人が恐ろしい事件を起こしている。
だから、そういう事でもなければやってられませんよ。
罪を犯して、すぐにバレて警察に捕まって、刑に服すなんてわかりやすいですが
悪いことしてもバレずにのうのうと暮らしている人もいる。
この話しのようにいつか復讐劇が始まるかもしれない、と思ったりすると少し嬉しい。
副業的な話しでいくと、この世で成功してる人、運のいい人っていうのは
「前世で善き行いをした人」「先祖が余徳を積んだ人」という。
私は前世とか来世とかの自分より今の自分をなんとかして欲しいとか思ってしまうのですが
それでも、時々「先祖の徳」とか「因縁」ってあるのかもな~思うことに出くわす。(前世とかは流石にわからん)
恐ろしいから具体的なことは話せないけど、自分の子どもたちに幸せになってもらいたかったら
自分の子どもだけよい目をみさせようななんて思わないことですよ。
他人にも親切にする方が、幸せへは近道かもしれません。
自分の立場や権力を悪用して、人を哀しませるようなことをしない事ですよ。
そういう意味でいうと、地位や権力を持たないほうがそうなる確率が減っていいですよね。
話しがだんだんズレてきたけど、今更だけど「モンテ・クリスト伯」読み物としても楽しく。
いろいろと考えさせられる本でもあり、ホームランです。今度は文庫で。