- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001145809
感想・レビュー・書評
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ローマン・ブリテン4部作(あるローマの軍人一族の物語)の2作目。
『第九軍団のワシ』のマーカスとエスカのコンビのほうが、『銀の枝』のフラビウスとジャスティンのコンビよりも印象的だった。
でも、1作目とも3作目とも異なる話の展開なので、十分楽しめた。
共通して描かれているのは、ローマ人でありながら、属州ブリテンに生まれ育った人達、ルーツを持った人達が、複雑な立場のなかで抱く葛藤や揺れ動くアイデンティティだ。
本作で第九軍団のワシが再び地上に現れ、戦場で高々と掲げられた。数百年の時を経て、一族で大切なものを受け継ぐということに尊さを感じた。
戦いの前夜、「ジャスティン自身は明日はほとんど確実に死ぬのだろう、とわかっていた。」(320頁)
死を覚悟しながら、その運命を静かに受け止めている人々。仁義や忠誠、友を大切にし、そのために命をかけることも厭わない。
サトクリフが描くと、こうしたテーマもわざとらしくならずに、自然で味わい深いものになる。読み終わったときに、尊いものの存在を感じさせてくれる。
ところどころに描かれる情景描写も清々しい。
4作目も読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ローマン・ブリテン四部作の二作目の物語。
前作『第九軍団のワシ』の主人公アクイラの子孫であるフラビウスといとこジャスティンが主人公。前作に出てきた場所や旗印のワシによって物語が繋がっており、ある日2人がとある人物と海のオオカミが密会するシーンを目撃してしまうところから物語が動き出す。
なかなかおもしろかった。
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文庫版、挿絵の1つがネタバレになる位置に掲載されている。
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支配地下に於いても、権力の取り合いはあるのね…
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ローマン・ブリテン四部作の2作目。
今度の主人公は、若い百人隊長「フラビウス」と、下級軍医の「ジャスティン」。
2人は遠い親戚で、1作目のマーカスの子孫です。
軍隊で出会い、親戚だと分かって親友に。
ある日、彼らが仕えるブリテン皇帝カロウシウスに対する、皇帝の右腕「アレクトス」の計画する陰謀を知り、告発しようとするのですが左遷されてしまいます。
そして陰謀が現実のものとなり、アレクトスに抵抗する勢力が生まれて行きます。
フラビウスとジャスティンの友情、周囲には魅力的な人物も登場し、楽しく読めました。 -
不屈の精神、信奉する価値観。
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ローマ時代のブリテンって、今のイギリスと違うものなのか…な…? 私はこの話を、書かれていること以上のものを受け取れていない気がする。 けど、簒奪者に対抗する人々の話はやはりおもしろいなー
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古代イギリスはローマ帝国の植民地だった。イギリス人はローマ文化の後継者と言う意識と、サクソン人と言う意識とのはざまにいる。
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潜伏任務だった『第九軍団のワシ』。今回は地下活動。
最後のレジスタンスの闘いなど、一番ビジュアル化に向いていると思う。
バラを胸に死んでいく剣闘士とか、忠義の道化とか。
サブキャラもたってます