- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001146219
作品紹介・あらすじ
戦争が終わり、皇帝はいなくなった。新しい時代を夢見た人びとは、よりよい明日を求めて戦うが……。一九一八年から一九一九年にかけての冬、ベルリンの貧しい地区で育った少年ヘレは、失敗に終わった革命を目撃する。二十世紀前半のベルリンを舞台に、激動の時代の転換期を労働者一家の目線でとらえた傑作三部作、第一巻。
感想・レビュー・書評
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ナチス台頭の前のドイツ、ベルリンの様子。帝政を覆したはいいけれど、また新たな圧政に苦しみ、抵抗する労働者たち。少年の目を通しての描写だから、より純粋で素朴で、せつない。真実を映す鏡のよう。人間がその愚かさに気づくには、100年、200年くらいでは足りないんだな。
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ドイツの児童文学なのですが、65を過ぎたジジーが、昔を思い出して興奮しています。
第1次大戦に敗北したドイツ帝国、労働者の尊重される社会を目指したローザ・ルクセンブルグやカール・リープクネヒトが虐殺される1919年のベルリンの町で「まっすぐ」な中学生が生きています。すでに歴史を知っているジジーの目から見れば、すべてに悲劇的な結末が待っているのですが、生き生きと活躍する少年を描くことで、現代の子供たちに、もう一度「歴史」に目を向ける契機をつくりだしているクラウス・コルドンに拍手です。
近代社会に限らず、ご都合主義の蔓延する日本の子どもたちに比べて、ドイツの子どもたちは幸せだと思いました。
ブログにもあれこれ思い出を書きました。覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202107120000/ -
943-K-1-1
閲覧 -
ドイツ革命、激動の3カ月に起きたこと。
その只中で生きる13歳の少年ヘレにとっては、歴史なんかじゃなく、家族や友だちとともに否応なく巻き込まれていく現実。
ヘレの気持ちや生活の描写が丁寧で、ヘレの気持ちで読み進めます。
食べるものも暖房もままならない冬のドイツで、家族や仲間たちの安否を懸念する緊迫感に引き込まれました。読み終えて、ドイツ革命の歴史をおさらいして、また読んでいます。 -
第一次世界大戦が終わった20世紀のベルリンを主人公である子どもの目線から見る事が出来る一冊(上)。
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貧しいゲープハルト一家の子供たちの視点から、20世紀前半の激動のドイツの転換を眺めることが出来る三部作の第1部のお話です。
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分断によって、友情が壊れたり、人が人を殺したりするようになるのをヘレの目を通して見た。
ここから1933, 1945につながるとのことで、こちらも楽しみに読みたい。