- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001164121
感想・レビュー・書評
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いろいろ釈然としない思いが残るんだけど(どうしてカルラは……とか)でも、すごくほんとうのことだという気持ちが残る。なので翌日になってもあの人たちが頭のなかにずっといつづけている。
才能って、持って生まれるかどうかという部分がもちろん大きいんだけど、それを背負いつづけていくかどうかというのはあくまでも本人の、人生をかけた決断。だから重たいリュックの比喩はとてもしっくりきた。決断と言ったけど、運ぶ決断をする人は、それなしではいられないと思うからすてずに運びつづけるものでもある。
読書会むきの本かもね~。 -
登録もれ。ドイツのYA向け小説。飛び込みが題材。ややうーん?と思う様なところもあり、共感できない部分も。青少年に全力ですすめたいとは思わない。
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ドイツでは珍しいスポーツを題材にした児童文学だそうです。
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中学生向き B〜B○
主人公のナージャは、カルラに憧れている。カルラは飛び込みの天才で、彼女が飛び込む時、みんながはっと息をのんだり、思わず見とれてしまうような選手だった。
カルラとナージャは同じアパートの隣の部屋同士に住んでいて、ちょうど2人の寝室が壁を挟んで隣になっていた。2人は壁に小さな穴を開けてお互いの秘密にしていた。
ナージャは、ある時カルラの母親が、インゴという男と付き合っていることを知る。インゴは、優しそうでいい人に見えたが、カルラはインゴのことをよくは思っていない。むしろ嫌っているようだった。
ナージャたちは飛び込みの大会に出ることになる。みんな、間違いなくカルラが優勝すると思っていた。カルラは他の人にはまだ出来ない技もできたし、なにより、飛び込み台の女王だったから。
しかし、カルラの飛び込みの直前、観客席にインゴの姿を見つけ、カルラはそのことに気づいたのか飛び込みに失敗してしまう。実際には観客席にいたのはインゴではなかったが、このことによって、カルラは優勝せず、ナージャが優勝した。
そこからカルラとナージャの間で微妙な空気が流れるようになって、ナージャは思わず、カルラにインゴのこと、インゴはカルラたちと引っ越そうとしていることを言ってしまう。
驚いたカルラは、飛び込みの練習から飛び出して何処かへ行ってしまった。ナージャは言ってしまった後悔はあったものの、きっと自分が帰る頃にはカルラも家に帰ってるはずだと、ひとりで帰宅した。
家に帰るとカルラはまだ帰っていなくて、暗くなってもやはり帰ってこなかった。ナージャは、家族に内緒でこっそり探しに出ることにした。インゴの家にも、いつもいくどんなところにもおらず焦ったが、ようやく、夏の間よく遊んだ屋外プールの飛び込み板の上にカルラがいるのを見つけた。
途中で降り出した雨で、カルラはとても震えていて、もしかしてこのまま自殺するんじゃないかと不安になったが、カルラはナージャと一緒に家に帰ってくれた。
その次の日から、カルラは病気になって入院し、飛び込みの練習にも来なくなった。
カルラの母親に言われて、病院に行くと、カルラは見たこともないほど衰弱して青白い顔をして横になっていた。カルラは、自分が背負っていたリュックをあなたにあげる夢を見た、だから、私はもう飛び込みをしないという。
実はナージャは、カルラが練習に来なくなってから突然飛び込みがとてもうまくいくようになっていた。
次の大会の時、ナージャは、カルラが失敗した飛び込みを成功させると、カルラがくれたリュックは、飛び込みの才能だったのではと悟る。
カルラはその後、インゴのところではないが遠いところに引っ越していき、最初こそナージャと手紙を出し合っていたが、だんだんとやりとりもなくなっていった。 -
ドイツのスポーツエリート校で飛び込みの特待生として将来を嘱望されているカルラとナージャは、家も隣同士でいつも一緒。ナージャの母親は、母子家庭のカルラのことを気にかけている。
二人は飛び込みの選手として将来を期待されているが、ナージャはいつもカルラにはかなわない。そんなカルラが、急に練習を放ってどこかへ行ってしまう。カルラに何が起こったのか…。
お互いの気持ちを隠しながら、それでもお互いのことが一番よく分かっている二人。選手としての成長と、人間としての成長の中で揺れ動く二人。
難しい少女の成長をとらえた作品。