モンテ・クリスト伯(全7冊セット) (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (2462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002010014

感想・レビュー・書評

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  • 「正しい」復讐劇の本。復讐といってもドロドロではなく、さらりとした軽やかさを感じるのは、やりすぎてもいけないという伯爵の信念や正しさからか。
    軽やかさの中で敢えて後ろ髪を引かれる部分があるとするならば、メルセデスには幸せになって欲しい。

  • これも中学生の時母の本棚から。すべて同じシリーズの世界文学全集だったんですが、どこの出版社かまではもうわからなくなったので・・これも大好きな一冊です。裏切り、絶望から、いかにして復讐を果たしていくかたいへんおもしろいです。

  • 苦難に直面した時、勇気と希望を与えてくれる本がある。アレクサンドル・デュマの名作「モンテ・クリスト伯」は、私にとって、そんな本の一つだ。
    物語の舞台である南フランスのマルセイユには、13年前の夏に訪れた思い出がある(2009年7月)。マルセイユの丘の上から、主人公である青年航海士・エドモン・ダンテスが投獄されたシャトー・ディフの牢獄があるイフ島を見つめながら、ダンテスの14年間にわたる獄中闘争に思いを馳せた。

    “逆境の中に、学ぶべき教訓がある”
    これが、「モンテ・クリスト伯」の一つのテーマである。

    “人智のなかにかくれているふしぎな鉱脈を掘るためには、不幸というものが必要なのだ”
    ダンテスには獄中で、同じく囚われの身であった老神父・ファリアとの出会いがあった。この「師弟の出会い」が、その後のダンテスの人生を大きく開いていくこととなる。
    ダンテスはファリアから励まされながら、万般の学問を学び、智慧を磨き、鍛えられるとともに、陰謀の正体を明かされ、自分を無実の罪で牢獄へ追いやった悪党への復讐を誓って、生きて牢を出た。やがて、「モンテ・クリスト伯」となって、パリの社交界に颯爽と登場し、自分を陥れた者たち(恋敵・フェルナン、船の会計係・ダングラール、代理検事・ヴィルフォール)への復讐を果たしていく。

    “待て、しかして希望せよ!”
    これが、この物語の最後の言葉である。
    「どんなに思うようにいかない状況の中にあっても、忍耐強く、闇の彼方に一条の希望の光を見出し、一歩一歩進んでいけば、いつか必ず道は開ける」
    そんなメッセージが、この言葉に含まれているように思う。

    私にとって「モンテ・クリスト伯」は、希望と不安が絶えず交錯する青年時代にあって、人生の夜明けを目指して、力強く背中を一歩「前へ」押し出してくれる一書である。

  • こんなに面白い物語はほかに知らない。
    モンテ・クリスト伯爵にものすごく感情移入してしまう。

  • 登場人物が途中ややこしくなるものの、無実の罪で投獄された主人公が悩みながらも復讐を遂げていく物語。

    全7巻と長い物語だが、終わってみるとそう長く感じない。

    ただ、一つ引っかかっているのは、5巻の「夏の舞踏会」の最後にクリスト伯からベルツッチオが指示される「ノルマンディのいつか話した小さな地所」とはどこのことだったのか?なぜベルツッチオもそこへ行くことを考えていたのか?

    ざっと読み直しただけでは分からんかった。


  • モルセール家の饗応で、モンテ・クリストは食事に手をつけない。メルセデスが庭の温室へ案内し、手ずからもいだ果物を勧めても固辞する。
    敵が出すものなど食えるか、という訳だ。(なお、異界でも現地の食べ物を口にしてはいけない、元の世界に戻りたければ)
    しかし、その氷の復讐心も、「でも、貴方と私は友だち同士のはずでしょう」と訴えかけられると、打ち砕かれてしまう。希望と愛に満ちた若い日々よりも、長い別離の時を経て種々の哀切を知る大人になった今だからこそ、胸に迫る情感もひとしおなのである。

    昔初めて読んだ時には、苛烈な復讐劇に陶然としたものだが、大人になって読む方が間違いなく味わいがある。
    善悪が白黒はっきりつけられないところが面白いし、描かれる各々の人生の重みが実感として伝わってくるため、これは果たして正当な復讐なのか? という疑問さえわいてくる。
    航海士であるエドモンは、海と船の世界しか知らない若者だったが、獄中でファリア神父から教育を授けられる。このあたりも、子どもの頃には読んでも分かっていなかった重要なファクターだ。マイナスからスタートする狩人が、何もかも持っている獲物と同じステージに昇りつめる第一歩だから。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/
    図書館・請求記号 953/D96/3(1)-(7)/B1

  • 読み終わるのがもったいないくらい面白い小説。古典とは思えない。記憶を消してもう一回読みたいくらい。

  •  
    ── デュマ/山内 義雄・訳《モンテ・クリスト伯 200004‥ 岩波文庫》全7冊セット
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4002010015
     |
    ── 山内 義雄・訳/太田 大八・絵/庫田 綴・装幀
    《モンテ・クリスト 19520210 筑摩書房》中学生全集 71 #105
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%E2%A5%F3%A5%C6%A1%A6%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C8
     
     Faria, José Custódio de 17560531 India 18190920 63 /修道士
     ファリア神父 (l'Abbé Faria) エドモン・ダンテスの恩師。
     
     実録・ヴィルフォール家の連続毒殺事件に基づく、壮大な復讐物語。
    ── ジャック・プシェ⦅復讐とダイヤモンド Le Diamant et la Vengeance 実録⦆
    ── ⦅ある家庭の犯罪 Un crime de famille 1807-1824 France 犯罪記録集⦆
     
     Dumas, Alexandre père 18020724 France 18701205 68 /“大デュマ”
    ── ⦅Le Comte de Monte-Cristo 1844-1846 Journal des débats 18巻⦆
     Dumas, Alexandre files 18240728 France 18951127 71 /《椿姫 1848》
     
    ── デュマ/黒岩 淚香・翻案⦅史外史伝 巌窟王 19010318-19020614 萬朝報
    1905‥‥ 青木嵩山堂⦆全4巻
     
    ── ⦅巌窟王 Monte Cristo 1922‥‥ America 1929‥‥ France⦆
    ── ⦅巌窟王 The Count of Monte Cristo 1934‥‥ America⦆
     
    ── ⦅巌窟王 Le Comte de Monte-Cristo 1964‥‥ France⦆
    ── ⦅巌窟王 モンテ・クリスト伯 1998‥‥ France TV⦆
    ── ⦅巌窟王 20041005-20050329 テレビ朝日⦆
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%C7%A5%E5%A5%DE
     ↑ デュマ ↓ 巌窟王
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B4%E0%B7%A2%B2%A6
     
    (20170819)(20231013)

  • 壮大な復讐劇。登場人物のによる多彩な伏線と起伏が素晴らしい。すごく描写が細かい。
    エデと一緒に旅立つ場面がいい。

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著者プロフィール

1802-70。フランスを代表する小説家・劇作家。生涯に長短合わせて250篇あまりの作品を書いたとされる。主な作品に『コルシカの兄弟』『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』『三銃士』『ブラジュロンヌ子爵(鉄仮面)』『ダルタニャン物語』『王妃マルゴ』『王妃の首飾り』など。

「2016年 『ボルジア家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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