第四次産業革命と教育の未来: ポストコロナ時代のICT教育 (岩波ブックレット NO. 1045)
- 岩波書店 (2021年4月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002710457
作品紹介・あらすじ
三十年におよぶ経済停滞に加え、コロナ禍のダメージを受けた日本では、「未来の教室」事業に急速に期待がかかるが、その成否は? また、現在の労働の多くがロボットに代替される未来予測のもと、教育の役割が重みを増すなか、各国の政策対応は? 学校改革の第一人者が、豊富なデータとともに検証する。
感想・レビュー・書評
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平成の30年で大きく変わった世界。そうか、こんなにも日本は立ちおくれたか…と実感。でもPISAによるコンピュータの教育効果の検証とか、面白かったです。やっぱり公教育の未来はあんまり変わらないわ…
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現在の社会の状況やこれに関する教育の現状を様々データを駆使して、説明していた。
まだまだ、タブレットを使うことが目的で終わってしまっているのが実情である。
これから目指す方向性として、筆者は創造性、探求、協同をあげている。我々の考えの転換期が間違いなくきている。そして、ボーっとしていては、いけないという危機感を抱いた。 -
367-S
小論文・進路コーナー -
薄い本だが、厚い内容だった。今流行りのアクティブラーニングがなぜもてはやされるのか、ちょっとわかった。日本は色々な面で世界から遅れをとっている。多分、政治が非常に悪く今後没落していくように思える。1970年代の経済の発展はたまたまだったと思え、戦略的に発展させたものではない。戦略がない限り、日本はこのまま沈んでいくだろう。教育も沈みかけている。
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世界における日本の教育を時間軸とともに俯瞰することができた。人的資本、ギガスクール構想、Society5.0、STEM(STEAM)教育、アクティブラーニング等々、論文の引用や筆者の観点から初等教育〜中等教育程度まで議論され勉強になり、かつ改めて学び続けることの重要さを認識した。本の執筆が始まったのはコロナ前で、コロナ状況を踏まえた分析をしなおした上で刊行されたのは良かったと思う。一方で、刊行後ではあるが、ChatGPTなどのLLMや生成AIの爆発的普及は教育業界にもかなりインパクトがあったと思うが、大学教育に関する続編があるなら、その辺りの考察も期待したい。
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学びとはかくある「べき」「べき」「べき」論が多く、世界の捉え方が、やや退屈だった。
日本の教育がグローバル資本乗っ取られるというのは、確かだと思った。 -
現在進行形のギガスクール構想。ICTの利用が子供の学力向上につながるのか。教育分野に入り込みたい企業の思惑に押されて確固たるエビデンスなく推し進められているのではないか。そんなことを考えた。
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教育産業が公教育に展開する環境が整っている。
OILMAJORではないけどEDUCATIONMAJORのような企業が影響力を持つ。著者によれば第四次産業革命とICT教育は教員という人的コストを削減する方向にいくと。大がかりなシステムと短期的に効果があるソフトが広がれば,自治体はシステム維持に汲汲とし(中にはまる投げもありうる),与えられた教材を与えられた指導法に基づいて顧客(子ども?)にサービスする労働に教員自らがしてしまい,自らの有能さを信じられないし信じようともしなくなり,結果的に社会づくりや人作りの基本システムが標準化されていく(人は標準化していないのに)。新しいシステムでは旧来の教員としての有能さは邪魔かもしれない。しかし,新システムに適応したら,人が人から学ぶという環境要素の質の低下につながるだろうな。人生100年時代,教員としての生き方(生活)にも関連する大きなチェンジが起こりつつあるのかも。