雨月物語 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 長島 弘明 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 190
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003022030

作品紹介・あらすじ

荒ぶる先帝の怨霊、命を賭した義兄弟の契り、帰らぬ夫を待つ妻の悲しき末路、男にとりついた蛇性の女の執念…。中国や日本の古典をさまざまに取り入れ、美しくも妖気ただよう作品に仕上げた上田秋成(一七三四‐一八〇九)の珠玉の短篇集を、厳密な本文校訂、平明な注と解説で。

感想・レビュー・書評

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  • 大好き上田秋成って、粋な男ですな!
    イソラ、菊花の契りが大好きだな

  • この本を読んだ人の少なさにびっくりしちゃった。

    いちからこんな話をたくさんつくれるなんてすごいなあ〜ってやんわり思っていたら、わりかし原本があるみたいで「あ、そなの」ってなってしまった。ただ、逆に教養に溢れていると捉えればポジティブに生きられる。

    初の文語、古文の文章で大挫折するかと思ったら、意外とするする読めた。

    『夢応の鯉魚』がいちばんオシャレ。ラストの絵の中の鯉は湖に泳ぎ出してしまったから残っていないんだ、みたいな部分に「あひゃ〜〜」となってしまった。良すぎる。

    基本的に男と女の云々だっただけに、『夢応の鯉魚』がひときわ目立っていた。

  • 人が鬼や蛇に変じるのは古来から枚挙に暇がないほどよくあること…なのか。
    いっそのこと鬼や蛇になれたならと思うことはありますね。
    でもそう簡単にはなれないのです。
    それはまだまだ堕ちかたが足りないということなのでしょうかね。
    それにしても女性が報われないね。
    そういう時代。

  • 「なんか国語の授業で知っているような...
    うんうん、オチとかも含め
    古典あるあるだよね...」
    と思っていたら

    ▪️ 吉備津の釜
    ▪️ 青頭巾

    のこの2話が特にゾワーーッ。
    「恐ろしいもの」が眼前に迫るのではなく
    心理的にじわじわと恐怖が迫ってくる
    ジャパニーズホラーの原点。

  • 怪奇譚という知識だけを持ち合わせていたが,実際拝読すると描かれる9編の短編がそれぞれ時代,登場人物,そして内容いずれも多様であり,現在に脈々と流れる本分野の源流を感じる.何よりも雨月,という文言に,時代を超えても全く色褪せず,これから起きるであろう不吉な予感を色濃くひしひしと感じ,内容に負けず劣らず大変気に入っている.

  • 「荒ぶる先帝の怨霊、命を賭した義兄弟の契り、帰らぬ夫を待つ妻の悲しき末路、男にとりついた蛇性の女の執念…。中国や日本の古典をさまざまに取り入れ、美しくも妖気ただよう作品に仕上げた上田秋成(一七三四‐一八〇九)の珠玉の短篇集を、厳密な本文校訂、平明な注と解説で。」

    江戸時代の怪奇小説!


    「(子ども向けに書かれた本をあまり読まなかった)そんなひねくれ者の私が好んで読んでいたのが、上田秋成の『雨月物語』や小泉八雲の『怪談』である。子供向けに読みやすく直されたものが学校の図書館にあって、何度となく借りていた。そこには書き手の意図や存在がまるで見えず、ただ敢然とした物語世界のみがあった。乙や空気や匂いや、すべての気配が生きていて、本を開くたび呆気なく異世界に取り込まれてしまう。「侘しい」という感情を、私はこの『雨月物語』の「浅茅が宿」で初めて知った。それは、役立つ情報でも前向きで建設的な思考でもなかったけれど、とても信じられる感情だった。ー大人という生き物は、自分たち子どもと異なる世界を見ていて、けれど彼らの景色の細部にも物語はちゃんと宿っているらしいと、幼い私は気付く。そうしてそれが、たとえ侘しかったり哀しかったり、どうにもならなかったりするものだとしても、目を背けずにしっかり見てくている人が存在するということも。この事実は、私のような子どもにとって、これ以上ない希望だった。」木内昇(『10歳までに読んだ本』)より

  • 剪枝畸人ってペンネームが好きです

  • 岩波文庫なのに親切丁寧。手取り足取りの脚注でよく読める。夜に怪事が起きがち。夢枕に立ちがち。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。1734(享保19)年~1809(文化6)年。江戸後期の読本作者。歌人、茶人、俳人、国学者でもある。『雨月物語』は5巻9篇で構成され、1776(安永5)年に出版された。

「2017年 『雨月物語 悲しくて、おそろしいお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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