- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003101995
作品紹介・あらすじ
詩情と求道心が混然一体となった文学者・国木田独歩(1871-1908)。「柔い心臓を持っていた」(芥川龍之介)詩人にして小説家である。その小説は,今に至るまで広く愛読されている。『運命』は独歩が一躍脚光を浴びた代表的短編集である。「運命論者」「空知川の岸辺」「非凡なる凡人」など、全9作品を収録。(解説=宗像和重)
感想・レビュー・書評
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新潮文庫版に掲載されてない短編があったので。
「馬上の友」や「非凡なる凡人」の真面目さに痺れた!
わたしのDNAの琴線に触れたよ。
(この岩波文庫、昔、粗大ごみ置き場に捨てられていた、ものすごく汚い古い、戦前の版を拾って読んで、やはり捨ててしまって、それ以来お目にかからなかったが、これは2022年に再版されているんだね!やはりいいものはいいんだ)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トルストイの晩年の作品を読んだような清々しさが感じられます。宗教の感じられるような作風ですが(彼の場合はキリスト教)、読む人の信仰に関係なく楽しめる短編集です。
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短編集。
国木田独歩を知れる。 -
いい作品に出会った。
様々な運命を持った市井の人々を写生した作品という感が強い。
印象に残った箇所を抜書きする。
p.142「しかし理窟を言えば何でも議論は出来ますが、私は理窟は如何でも可いので、ただ田舎が好き、それで文句はないのです。ただ思います、田舎の好きな人は都会の好きな人よりか幸福だと、そう思います……どうせ人は皆な死んで了うのですからねえ……」 -
運命論者
「貴様」をずっとキサマと読んでいておかしかったのだけど、ずっとおかしかったのは私の方でした。
非凡なる凡人
拍手!!!
初の国木田独歩作品だったのだけれど、ん〜なんだね、正常な江戸川乱歩みを感じたよ -
清々しい文章と人生観。素晴らしかった。
とくに、画の悲み に胸打たれた。
この短編集では、幼い頃の友情と、その後の対比が扱われている話がいくつかある。思い出は輝いていて、その後の変化には、明暗がある。どちらの場合でも、筆致が美しくて、切なくなる。