大つごもり・十三夜 他五篇 (岩波文庫 緑 25-2)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003102527

感想・レビュー・書評

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  • 樋口一葉さんのお話の中で、この中に入っているお話が一番好きです。

  •  
    ── 後の事しりたや。
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4003102525
    ── 樋口 一葉《大つごもり・十三夜 他五篇 19790216-19910705 岩波文庫》P24
     
    ── 樋口 一葉《十三夜 199512‥ 文芸倶楽部臨時増刊閨秀小説号》陰暦 0913
     
     

  • 十三夜

    お関は夫の虐待に耐えかね、結婚後7年たったある晩子供(太郎)を置いて、実家に帰る。
    恋女房として17のときにどうしてもと原田にもらわれたお関に対する扱いに母は同情し、激怒するが、父親はお関を諭して戻そうとする。
    今離縁すれば、夫の辛さからは逃げられても、太郎には一生会うことができなくなるだろう、
    今度はその辛さを一生抱えていきていかねばならない。
    7年我慢できたのなら、一生も我慢できるものだろう、と。
    厳しい。今はもうこんな時代ではなくなっているとは思うけれど、やはり「忍耐」というのが
    昔の妻にはほんとうに切っても切れないような言葉として覆いかぶさっている。
    そして自分がわがままだったと、お関は「わっ」と泣き出し、もう二度と愚痴も不満も言わないと誓い原田のもとへ帰る。
    その帰途の車やが昔なじみのろくのすけだった。子供心にいつかはこの人のお嫁に、と心ときめかせ、煙草屋の女房になることまで
    考えていた相手であったが・・・。
    お互い恋しい間柄であったのに、原田なる金持ちがやんややんやでかっさらい、3人ともが不幸になる。
    それでももうあの頃に戻ることはできない。切ない話です。

  • 女は嘘の未来を生きている。男は過去に言い訳をしている。所収「大つごもり」「ゆく雲」「十三夜」「うつせみ」「われから」「この子」「わかれ道」

  • 十三夜を読みました<BR>
    うーん、今よりもっと抑圧された社会で生きている女性が「お関」に現されていると思う。<BR>
    お関も、録之助も、本当は社会一般から見たら「幸せである」はずなのに、本当は今の生活に満ち足りていない。それを「十三夜」という(満ち欠ける月)として心情をあらわすのはさすがに日本を代表する女性作家というところ。

  • ハクビのドクターコースで「十三夜」の朗読を聞いて、続きが読みたかったので・・・樋口一葉、もうちょっと読んでみようかな。。。

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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