寺田寅彦随筆集 2 (岩波文庫 緑 37-2)

著者 :
制作 : 小宮 豊隆 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 308
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003103722

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  • 一つの思考実験、解かれた象、池、藁が真綿になる話、備忘録、煙突男。相対性原理側面観はタイムリー。

  • 第二巻。
    『電車の混雑について』大好き。
    こういうところに寅彦の理系スキルが活かされているなと思う。
    『猫』もかわいい。
    他にも新聞や災害についてなど、彼の警世家としての一面も垣間見える一冊。

  • 一つの思考実験:情報の過多が現代人の不安材料になっている。毎日、新聞を流し読みする際に身に付く”流し読み”のスキルはちゃんとした書物を読む際に熟読を阻むという弊害をもたらさないかと懸念した上、新聞を廃刊し、それにかわる日刊ではない媒体の存在を求める。各界の重鎮らに加え、宗教家、芸術家、あらゆる団体の長が筆をとるのが望ましく、この”夢の新聞社”は国家事業として運営される事が望ましいとされるが、それでは情報統制にならないだろうか。各人に有用な情報だけを発信する事は可能なのか。この新聞の出現が人々の情報の真偽を見極める能力の欠如を助長することにつながりうることはないのか。

    とか思いつつも

    寺田寅彦が現代に生きていたらどう思うだろう。憤慨するかな?インターネットやテレビニュースの莫大な数の”稚速主義”な情報の数々に踊らされている人の多い事を嘆くと思う。近頃の情報番組は一種の流し作業の様にもにエンターテイメントの様にも見て取れる。タブロイド紙なんかひどいもので囃し立てたり煽動したりして見ていて不愉快なところがいっぱいある。寺田寅彦が思っているような組織は現代のNHKみたいなものでしょ?結構下らない事もやってるけど、見なければ良いのよね、そう思う部分は。そうすれば誰にも無害♡

    彼の文章の書き方が論文調なのが好き


    五月の唯物観;書き出しの五月頃の庭の描写が好き。[霧島つつじが二、三日の間に爆発的に咲き揃う]とか。季節の変化に伴う気分の変化を数式で書き表したところが面白い、さすがジオグラファー? あと世界の年中行事と日本の行事の季節と物品の重なるところの目の付けどころが面白い。

  • 37-2 一・三欠

  • 1986.5.14

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著者プロフィール

1878–1935
東京に生まれ、高知県にて育つ。
東京帝国大学物理学科卒業。同大学教授を務め、理化学研究所の研究員としても活躍する。
「どんぐり」に登場する夏子と1897年に結婚。
物理学の研究者でありながら、随筆や俳句に秀でた文学者でもあり、「枯れ菊の影」「ラジオ雑感」など多くの名筆を残している。

「2021年 『どんぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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