鈴木三重吉童話集 (岩波文庫 緑 45-5)

著者 :
制作 : 勝尾 金弥 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 59
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104552

作品紹介・あらすじ

1918(大正7)年、児童雑誌『赤い鳥』を創刊、低俗な教訓性や娯楽性で成り立っていた従来のお伽噺を「子どもの心の特殊性に即した」童話にまで高めた作品を掲載、児童文学史に大きな足跡をのこした小説家、鈴木三重吉(1882‐1936)の童話集。「湖水の女」「黄金鳥」「ぶしょうもの」「やどなし犬」「大震火災記」など13篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 絵のある 岩波文庫
    鈴木三重吉 童話集

    バラエティに富んだ構成の中、印象に残るのは「少年駅伝夫」の旅の醍醐味(人間の優しさや自然の厳しさ)を伝える描写力、「星の女」深沢省三 の挿絵


    序盤の異類婚姻譚4編は 美しい異世界の女性に魅せられた男性が不幸になるパターン。泉が異世界の入口になっている。童話だからか、子供は必ず幸福になる


    冒険物語「ぶくぶく長々火の目小僧」は 旅をしながら、多才な仲間が増えていき、強敵と戦うストーリー

    最後に関東大震災の記録があるのは なぜなのだろうか


  • 収録内容は以下の通り。

    湖水の女(大正5年12月 発表)
    黄金鳥(大正6年4月 発表)
    星の女(大正6年8月 発表)
    湖水の鐘(大正7年1月 発表)
    ぶくぶく長々火の目小僧(大正7年7-8月 発表)
    岡の家(大正10年12月 発表)
    ぽっぽのお手帳(大正7年7月 発表)
    ぶしょうもの(大正13年7月 発表)
    デイモンとピシアス(大正9年11月 発表)
    やどなし犬(大正13年1月 発表)
    ざんげ(大正13年11月 発表)
    少年駅伝夫(昭和3年2月 発表)
    大震火災記(大正12年11月 発表)

    鈴木三重吉が童話を手掛けた期間のうち、前半の時期に書かれた作品集。
    一般に伝わる沈鐘伝説を道徳的に仕上げ直した「湖水の鐘」が特に印象的。
    古くから伝わる伝承を道徳的に直すうえで、語句のひとつまで徹底した鈴木三重吉の仕事が素晴らしい。

    編集は勝尾金弥。
    カバー画は深沢省三、挿絵は深沢省三、鈴木淳。

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著者プロフィール

童話作家。明治15年生まれ。夏目漱石の推薦で短編「千鳥」を発表しデビュー。「赤い鳥」を創刊し、数多くの童話を発表する。坪田譲二や与田準一など多くの児童文学者を育てる。

「2003年 『新版 古事記物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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