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- Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003118535
感想・レビュー・書評
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わが町は傑作。何度も繰り返し読みたくなる。
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不器用ながら規律規範から逆行して生きようとした青年を描いた『青春の逆説』。ほのぼのとした下町の情景を巧みに描きつつ、そこに住まう人々の暖かい交流を描いた『わが町』。
短編小説を得意とするオダサクには珍しい、中編~長編の小説だ。
じっさい作者はこの2作品に心血を注いでいたようで、『青春の逆説』が当局から発禁処分をうけた後は道頓堀~心斎橋界隈を放浪していたとかw
オダサクの作風の一番好きなところは、浪華節を利かした愉快な関西弁。その情緒深い、ユーモアあふれる会話文に、いったいどのくらいの東京人が魅せられたことだろう?関西弁がとってもステキ。
あと、作者の故郷への愛にほのぼのする。道頓堀・二ツ井戸・心斎橋・・・下町の盛り場の夜店、極彩色の行燈、どて焼き・豆板屋・こんぺいとう・しっぽまであんの入ったたい焼き・・・一文読めば一文に驚く(BY正岡子規)とはこのことだと思った。
そしてオダサクの作品には、『放浪への哀愁』がしみじみと寂しく感じられる。これがデカダンスなんだな。