オデュッセイア 上(ホメロス) (岩波文庫 赤 102-4)

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  • / ISBN・EAN: 9784003210246

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/707556

  • ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズⅠ』を読んで、自らのあまりの教養のなさを痛感し、少しでも『ユリシーズ』の理解を深めたいとの一心で手に取った。
    結果は、大苦戦である。

    まず第一に、この岩波文庫の本は、1994年の版であり、活字が極めて小さい。
    ことに「注」に至っては、活字があまりに「小さすぎて読めな〜い」と放り出したくなるのを、ハズキルーペの力を借りてようやく何とか読んだという代物だ。/


    二つ目に、そもそも、僕自身に『オデュッセイア』自体を読もうというモチベーションが、あまりなかったということがある。
    これだけ有名な本なのだから、もっとずっと前に読んでいてもおかしくはなかったはずだ。
    例えば、テオ・アンゲロプロスの映画『ユリシーズの瞳』を観た後に読んでおいてもよかったかも知れない。
    だが、結局読まなかった。
    そもそも、僕は、古典中の古典をほとんど読んでいない。
    同じホメロスの『イリアス』も読んでいないし、シェイクスピアも、先日『ハムレット』を読んで、その相性の悪さは水と油のようだった。

    セルバンテス『ドン・キホーテ』も、前篇だけ読んで積読状態になったままだ。
    ほとんど、古典音痴と言うしかない有様だ。
    なぜ、僕は古典とここまで相性が悪いのだろうか?
    たぶん、一つには、古典の世界は、「神」が君臨する世界だということがあるのだろう。
    僕は、「神」という奴が大嫌いなので、その感情が「バカの壁」となって、古典作品の理解を妨げているのかも知れない。/


    三つ目は、ストーリー展開があまりに紋切り型な点である。
    オデュッセウスは一日も早く故郷イタケへ帰らんと欲するも、ことごとく神々に行く手を阻まれ、数多の島々を放浪せざるを得ない。
    判で押したようなそのストーリーは、昔のラジオドラマ「君の名は」を聴いているようだ。
    ここのところ読みたい本が目白押しで、早く読み終えたいと焦る僕の心を嘲笑うかのような、無限連鎖の「金太郎飴」ストーリーだ。
    そういう訳で、この本も、『ユリシーズ』を読み始めなかったら、ずっと積読のままで終わっていたのかも知れない。/


    ところが、上記のような数々の不満にもかかわらず、驚いたことに、この『オデュッセイア』の世界は、いまだに現代に通ずるものがあるのだ。
    何しろ、EUやアメリカなどの欧米民主主義国の人々は、ウクライナを「生贄の羊」として差し出して、ひたすら冷酷な「荒ぶる神プーチン」の怒りが静まるのを祈るだけなのだから。

  • 3.74/1100
    内容(「BOOK」データベースより)
    『トロイア戦争が終結。英雄オデュッセウスは故国イタケへの帰途、嵐に襲われて漂流、さらに10年にわたる冒険が始まる。『イリアス』とともにヨーロッパ文学の源泉と仰がれる、ギリシア最古の大英雄叙事詩の、新たな訳者による新版。(全二冊)』

    原書名:『Ὀδύσσεια』(英語版『The Odyssey』)
    著者:ホメロス (Homeros)(Homer)
    訳者:松平 千秋
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    文庫 ‏: ‎394ページ(上巻)

    メモ:
    ・松岡正剛の千夜千冊 999夜
    ・世界文学ベスト100冊(Norwegian Book Clubs)

  • 集英社 世界文学全集1、ホメーロスのオデュッセイアの代わり。呉茂一訳。
    言い回しが回りくどいのが気にならなくなれば、物語として面白くなってくる。
    日本の桃太郎的な存在なのかな。

  • 2021/4/29

    流麗な訳文、たくさんの表現を勉強させていただきました。
    個人的に『イリアス』よりも全然面白く感じ、「超重要な古典」というレッテル抜きにして語られればもっと多くの人が楽しめるに違いないと思う。

    オデュッセウスの旅は一難去ってまた一難、その間には甘美な憩いがあるが、これは人生の縮図そのもの。苦難があるから幸福がある。

    古典classicの語源を辿れば、ラテン語のclassicus「艦隊」で、危機に際して必要なものということになるが、まさにオデュッセウスの苦難もとより、詩の言葉の数々はきっといつか苦難の中響く日がくるはず。そしてその先にはきっと甘いひと時がある。

    ところで枕詞にもなっているほどオデュッセウスは知謀に長けているというが、所々間抜けな一面を見せるところがある。高尚な古典文学に垣間見えるその柔らかさが、時空を超えて大衆に愛されている所以の一つなんだよう。

  • かなり久しぶりの再読になる。最古の冒険物語とも言われる本書。やはり文句なしに面白い。同じホメロスでも「イリアス」と比べて親しみやすいと思う。前編である本書の後半は一人語りが延々と続く構成だが、不思議と気にならない。

  • 神々版ワンピース

  • 個人的には、イリアスの方が好みです。オデュッセウスが今一つ好きになりきれないからです。人類の生んだ傑作であるのは間違いないと思います。

  • 世界史上、堂々たる教養書であることは間違いないが、読み始めると拍子抜けするくらい、難解なところが無い。
    キュクロプス、セイレン、スキュレなど、圧倒的にキャラ立ちしているクリーチャーたちが愛らしい。
    感想は下巻読了後。

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