デイヴィッド・コパフィールド 5 (岩波文庫 赤 228-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003222850

感想・レビュー・書評

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  • ついに読み終わってしまった。
    面白かった!読み終わるのが勿体ないくらい。
    普段読むのは漫画ばかりの私でも、頁を繰る手が止まらずに、5巻まで飽きることなく読むことができた。
    父から大河ドラマだよ〜と聞かされていたけど、本当にそう。
    150年も昔に書かれた大河ドラマ、当時のイギリスの街並みや観念、社会の様子などがよくわかるように描かれていて、話の筋以外のところも随分興味深かった。
    また、次々と現れるキャラクター達は漏れなくユーモアたっぷりで、読後にはどの人物にも思いを馳せてしまう。
    予定調和でご都合主義的なところもあるものの、割り切って読めば思い切り楽しめる要素でもあるかも。
    また忘れた頃に読み返したい。

  • まとまりすぎているくらい、まとまっている最後だった。
    それぞれの人物が落ち着くべきところに落ち着いた、まさにそんな感じだ。
    ディケンズは優しいな、と思う。
    登場人物たちを大切にしている。
    やや甘やかしているくらい、キレイな筋を作っている。
    アグネスの件については、伯母さんになった気分でやきもきした。
    面白く読めた。
    本作には、様々な夫婦が登場する。
    そこに視点を置いて読んでも、考えさせられたり、うなずいたり、楽しめた。
    この作品は読む価値ありだと思う。
    子どもたちにも薦めたい。

  • 伏線回収も見事。しみじみとしており、精神の高潔さが脈打っている。

    当時も、今も、ジェンダー観に揺さぶりを与えくれる。
    オーストラリアへの移民が夢として描かれているのが、植民地時代の名残か。

  •  遂に完結! 最後の5巻はすべての伏線を回収して,基本的に良い人には幸せが,悪人にはそれ相応の報いが訪れる(例外もあるが).そうか,謎のキャラクターのミコーバー氏の役割はそういうことか.
     ディケンズのお話の常で,やや主人公のキャラクターが薄く,基本的に周りの出来事に翻弄されることによってストーリーが進んでいくのだが,今回の場合には「ほぼ自伝」とされているので,つまり自分の感情を書き込んでいないのは,やむを得ないでしょう.
     ご都合主義とも言われることが多いディケンズの小説の中では,おしまいにきちんと着地を果たした感じで,とても良くストーリーが練られて書かれているように感じた.かなりの数の小説は,そのルーツをたどると,このデイヴィッド・コパフィールドに源流が行き着くのではないか?

  • 全巻読了。訳がとっても読みやすいです。全然古い感じがしない。
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    本や作者についてググって見るとどうもこの作品はディケンズが誰にでも楽しめる作品を書いていた初期と小説でしか書けないことを書こうとした晩年の中間にあたる時期に書かれたらしい。
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    物語を通して善意や倫理が素直に信頼できるものとして書かれているのを感じた。泣き笑いの中でも凛として背筋が通っている感じ。
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    ディビッドは周囲の状況に翻弄される主人公だ。客観的にいえばかなり「かわいそう」な目にあうけど、不思議と悲惨な感じがしない。強いのか弱いのかわからないけど気持ちのいい青年。周りをかためる人々にくっきりとしたキャラクターがあって主人公以上に生き生きとしている。
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    ストーリーは波乱万丈なのだけどそれ以上に細部の書き方とかがすき。

著者プロフィール

Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。

「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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