若きウェルテルの悩み (岩波文庫 赤 405-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003240519

感想・レビュー・書評

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  •  教養として読書。発刊された当時この本に影響されて多数の自殺者が出たといわれるほど衝撃的だった作品。
     書簡形式なので主人公ウェルテルの主観視点ですべてに意味づけがなされる。燃えるような恋をして、それが成就しないことに苦しむ。何でもないようなことに喜びや悲しみを見出す。内容はこれくらいだがウェルテルの内面の描写が当時としては画期的だったのだと感じる。
     ゲーテの実体験が強く反映されていて、それが作品から感じるスケールの大きさに繋がっているのかもしれない。
     
     (まどマギのシャルロッテはこの作品が由来なのかな?)

  • (2003.07.10読了)(2003.03.22購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    親友のいいなずけロッテに対するウェルテルのひたむきな愛とその破局を描いたこの書簡体小説には、ゲーテ(1749‐1832)が味わった若き日の情感と陶酔、不安と絶望が類いまれな抒情の言葉をもって吐露されている。晩年、詩人は「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と語った。

    ☆ゲーテの本(既読)
    「若きヴェールテルの悩み」ゲーテ著・佐藤通次訳、角川文庫、1950.08.15
    「ヘルマンとドロテーア」ゲーテ著・国松孝二訳、新潮文庫、1952.01.15
    「ゲーテ格言集」ゲーテ著・高橋健二訳、新潮文庫、1952.06.25
    「イタリア紀行(上)」ゲーテ著・相良守峯訳、岩波文庫、1942.06.01
    「イタリア紀行(中)」ゲーテ著・相良守峯訳、岩波文庫、1942.06.01
    「イタリア紀行(下)」ゲーテ著・相良守峯訳、岩波文庫、1942.06.25
    「ファウスト(一)」ゲーテ著・高橋義孝訳、新潮文庫、1967.11.25
    「ファウスト(二)」ゲーテ著・高橋義孝訳、新潮文庫、1968.02.25

  • 花や木や空など、自然に対する描写がきれい。

    最後、すぐに死にきれなかったことが、惨めで悲しい。そんなのってない。

  • 主人公の持つエネルギーに圧倒された。

  • 許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する・・・生きることの意味とは?

  • あつい笑
    あついやつだな、ゲーテ…笑
    彼の、官僚制や階級制度をはじめとした社会の拘束性、理性第一主義、などに対する卑下ともいえるような嫌悪を惜しげもなく発揮した作品だったと思う。
    私としては、ロッテのどっちつかずな態度が…魔性の女だなって。

  • この小説はこわい!なぜここまで書いた!
    いや~どうなんだろう、ウェルテルの悩み。過去のいつかの自分なら共感したこともあるかもしれないけど、今はそういう感覚はありませんでした。というかもうこれ恋愛小説の域をとっくに越してしまってる気がするし、共感とかじゃないのかな。

    これ読んでて考えたのは、アイデンティティのこと。
    ロッテが「なんで私なのか」ってウェルテルに問うことがあったけれど、確かに何でなんだろう。彼女自身がいうように、もっといい女性がいるかもしれないし、それ以上に既に彼女にはパートナーがいる。
    まあ、「もっといい女性がいる」とはいえ、一生の内で持ちうる他者との関係の数は当然かぎられるわけで、恋愛対象といってそんなに数いるわけじゃない、現実的には。だから、ウェルテルがこれだけ没頭するのも納得できなくない。

    一生のうちで偶々関係性を持つ、という意味での「偶発性」が、私にとって彼女はどういう存在、という意味での「他者のアイデンティティ」をつくっている部分は大いにあるんだろうと思うんですよ。時間や場所、境遇、等々のあらゆる要因が影響しあってはじまったからこそ、恋愛に運命的な絶対性を感じるわけだし、それゆえに恋愛はこうも人を悩ますんだろうし。だから理屈の上ではウェルテルの悩みは分かる(感情的には分からない)。

    ・・・しかしながら、一方でこの「運命的な」偶発性は、つねに他者へのアイデンティティを否定する可能性を孕むわけですよね。偶発性は不確実なものだから、上述したような「他者へのアイデンティティ」をほとんど担保しないんですよ。
    それこそ、「これから『たまたま会う人』のなかに自分よりも全てにおいて上回る人が現れたら」とか考えてると、誰々にとっての自分のアイデンティティに空しさを感じてしまう。
    そうするとロッテの「なんで私なのか」への答えが浮かばないわけだ。たまたま会ったうちの一人でしょう!!と言われれば、へえそうでござんすってわけで、困ってしまう。

    結局、答えをくだしているのはウェルテルじゃなくロッテ自身。
    どういう時間を、場所を、記憶を共にしたか。本当に不変でありつづけるものはそれだけだから。「トムは真夜中の庭で」の名言のとおりだ。「 かわらないものなんて、なにひとつないものね。わたしたちの思い出のほかには」。思い出にこそ、相互のアイデンティティが、恋愛があるんじゃなかろうか。

    ちなみにタイトルのことだけど、なんで「ウェルテルの悩み」じゃなくて「若きウェルテルの悩み」なんだろう?と考えると、そのまま考えれば、まだナイーブで無知な青年ウェルテルの「あなたのためなら死ねる」的なお話、という意味で「若き」を解釈できる。最初はそう思った。
    けど考えていると、どうも、実はゲーテは別の意図があるんじゃないかと思えてきた。実際にウェルテルはそこまで無知に描かれていない、むしろ理知的だし、ナイーブさゆえに死にまで至るだろうか、と。本当はむしろあべこべじゃないか?「死」を強烈に意識していたからこそ、ウェルテルほどの愛が生まれたのではないか。「死」を意識して全霊をもって生きること、愛すること。これがむしろ若さ。タイトルの「若き」はナイーブ(世間知らず)な、盲目な、というような消極的な意味ではなく、より積極的な意味なんじゃないかな。

    つってな。

  • 海外の名作を読みたくなり、ゲーテが作者であること・独白の形式であることから、購入した

    若き者、自意識は過剰で、恋は盲目
    最後は、これ以上周囲と自己の心身の状態を悪化させないためには必要だったんだろう
    逃げのようだけれど、ゆるしてあげたい

  • 私はまだよく分からなかった。時がたち、もう一度読みたい。太宰治の「人間失格」になんか似てる。

  • 惚れ込み、傾倒、報われず、想い破れ、最後には絶望が眩しい。

    時には嫉妬し、それでもなお直向に愛を抱え続けるウェルテルの様が、心を掻き毟られ本当に苦しい。どうしようもない、では片付けられない。只々辛い。

    前半の浮かれ具合も、後半のやるせなさも。
    一度でも失恋したことがあれば感情移入しちゃうはず。
    イタイイタイ、もう読まない畜生。

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