- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003240601
感想・レビュー・書評
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ゲーテのイタリア旅行記の中巻ですね。
ゲーテのイタリア旅行記の中巻は以下の通りです。
ナポリ (1787年二月および三月)
シチリア(1787年三月から五月まで)
ナポリ (1787年五月から六月まで)
イタリア旅行記は当初は『詩と真実』の続篇の作成を目指したものだったが、ゲーテの科学者としての趣向が勝って紀行文の形態を如実に著すことになる。
ワイマルの宮廷の仕事で頓挫していた執筆活動も段々熱を帯びるようになる。代表作『タッソー』はこの時期の作品です。
事にシチリアに対する興味は抜群で、「シチリアなしのイタリアというものは、われわれの心中に何らの表象をもつくらない。シチリアこそすべてに対する鍵があるのだ。」とゲーテに言わしめている。
旅行に対しては「総じて各人は、自己を他のすべての人間の補足として考えるべきでありーーある旅行者に前進者があるのを知っていても、やはり私はその旅行者の言に喜んで耳を傾け、やがてさらに後継者の出てくるのを期待するであろう。そしてそのうちに運よく自身でその地方へ旅行できた場合には、私はこの後継者にも同様に親しい気持ちで接したいと思っている。」としてこの巻を結んでいる。
さすがゲーテの言葉には趣が沈香ですね。ゲーテと共にワクワクしながら読了しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/707941 -
前半は地質紀行としても第一級。ただ後半のローマ滞在のところは紀行というよりは思索的・抽象的な記述が多く読むのが大変だった。でもこの思索からのちにたくさんの傑作が生まれたのだろう。わたしのような凡人には、この偉大な詩人は全く理解できず。
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出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介
ゲーテが旅したイタリア。ワイマールでの暮らしを離れ、芸術家としての自分を取り戻す。 -
(1990.09.11読了)(1990.09.03購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
一七八六年九月、ゲーテはワイマルでの煩瑣な生活からのがれるため、長年の憧れの土地イタリアへと、まっしぐらに駅馬車を駆り出した。この出発こそ、詩人ゲーテを完成し、ドイツ古典主義を確立させるきっかけとなるものであった。
☆関連図書(既読)
「若きヴェールテルの悩み」ゲーテ著・佐藤通次訳、角川文庫、1950.08.15
「イタリア紀行(上)」ゲーテ著・相良守峯訳、岩波文庫、1942.06.01